16日に幕を閉じたクラブ・ワールドカップは、レアル・マドリーが史上初の連覇を遂げた。一方、同日の3位決定戦では、本田圭佑所属のパチューカが開催国王者アル・ジャジーラを4-1と下して3位の座を手にしている。

本田自身は3位決定戦に出場しなかったが、延長戦の末に惜しくも0-1で敗れた南米王者グレミオとの準決勝での活躍は印象深かった。ことしは日本代表からも外れるなど不振が騒がれていた本田だが、パチューカに移籍して約半年が過ぎ、復調しつつあると言われている。

17日放送、テレビ東京「追跡LIVE! Sports ウォッチャー」でも、サッカー解説者の秋田豊氏が「動けるし、体もキレるし、コンディションは良い」と本田を評価した。

同番組によると、本田は31歳にしてさらなる進化を遂げつつあるようだ。メキシコリーグで日本人初のプロ選手となった百瀬俊介氏によると、キーワードは「肉体改造」。同氏は、本田がチームで最もジムを使っているのは自分と明かしたと話している。

好調の裏にあるのは、メキシコの環境だ。本田は7月の入団会見で「会話をしたり、日常生活しているだけで息が上がる」と、パチューカが高地にある影響を明かしていた。標高2432メートルというパチューカの酸素濃度は、平地のおよそ4分の3しかない。

その影響の大きさを裏付けるのが、百瀬氏のコメントだ。現役時代、レントゲンを撮ったときに、心臓や肺が大きくなっていると言われたことがあるという。それだけ高地でのトレーニングは心肺機能を発達させるのだ。

だが、効果はそれだけではない。秋田氏は「酸素が薄いところでプレーしているとシンキングスピードが遅くなってしまう」と、高地では考える能力が低下すると指摘。裏返せば、高地トレーニングをしていて平地に戻れば判断が速くなるというわけだ。秋田氏は、本田が「非常に今良い状態でだいぶ高地に慣れてきたのではないか」と分析した。

クラブW杯での活躍から欧州復帰説も浮上した本田だが、自身のSNSで報道を否定。パチューカの会長とコネクションを持つ百瀬氏は、その会長から3日前に1年の契約延長オファーを打診したとの情報を入手したことも明かしている。

来年のロシアW杯を「集大成」と位置付けている本田。メキシコの地で得た力を、ロシアで発揮することができるか。期待が寄せられる。