出発点はレーシングカー、次は航空機向けの拡大を狙う東レの“マジック”
同社の前身は、レーシングカーを開発する童夢(滋賀県米原市)のCFRP部品製造子会社。13年に東レが買収した。レーシングカー向けで蓄えた開発力を武器に、自動車部品でのCFRP採用拡大を目指してきた。
「航空宇宙分野から学ぶことが必ず役に立つ」と、奥社長は断言する。航空宇宙産業は複合材料を用いてきた歴史が、他産業よりも長く、複合材料の実用例も豊富だ。CFRPを使った1次構造部品の生産に必要な認証は自動車部品でも品質保証の“紋所”になる。
16年に航空宇宙分野の特殊工程に関する認証「Nadcap」を取得。17年に米ボーイングからサプライヤー認定も取得した。ここにたどり着くまで要した月日はおよそ10年。奥社長は計画当初から携わっており、10月からスタートした1次構造部品の納入開始を感慨深げに見守る。一方で、航空機業界の要求品質は厳しい。「まずは顧客の求める品質に応えていかなければならない」(奥社長)と気を引き締めるのも忘れない。
今後は「1次構造部品の売り上げで、年率10%の成長を目指す」(同)。航空機で実績を重ねながら、自動車部品についても開発を加速していく。
(日刊工業新聞大阪支社・日下宗大)
