バルセロナが前言撤回のドタバタ劇 コウチーニョとデンベレ獲得間近発言から一転

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バルサGMが獲得に「近づいている」発言も…ドルトムントCEOの怒りを招く

 圧倒的な強さを誇ったはずのバルセロナが迷走モードに突入している。

 16日に敵地で行われたスペイン・スーパーカップ第2戦でレアル・マドリードに0-2と完敗し、2戦合計1-5と圧倒された。ブラジル代表FWネイマールをパリ・サンジェルマンから引き抜かれ、バルサGMがリバプールのブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョとドルトムントのフランス代表MFウスマン・デンベレの獲得に「近づいている」と公言したが、翌日に強化責任者が発言を撤回するドタバタ劇が起こっている。

 バルサの強化部は苦しい立場に立たされている模様だ。スペイン地元テレビ局「TV3」でペップ・セグラGMは「(コウチーニョとデンベレ?)我々は獲得に近づいている。条件面について話し合っている。全てが完了するまで、我々はそれ以上言えない。彼らがバルサのユニフォームを着ることを願っている」と、まるで獲得間近のような発言をしていた。

 レアル戦大敗後のサポーターの傷を癒そうとしたのかもしれない。だが、交渉相手の怒りを招く無用な発言となってしまった。

 ドルトムントのハンス=ヨアヒム・ヴァツケCEOはドイツメディアで「私はなぜこんなコメントを彼がしているのか理解できない。おそらく、レアル・マドリードが彼のチームをスーパーカップの2試合で簡単に凌駕してしまったからだろう。バルセロナはウスマン・デンベレとの契約で、1ミリも近づいていない」と怒りを滲ませている。

GM発言受けてバルサ強化部長が沈静化図る

“獲得合意間近”発言から一夜明けて、バルサのロベルト・フェルナンデス強化部長が事態の鎮静化を図るかのような発言をしている。

「バルサだけではなく、トップクオリティの選手を探しているクラブは、この移籍市場で苦境に直面している。理由は、マーケットで様々なクラブが最高の選手を獲得しようとしているからだ。違約金の設定がなければ、事態はより複雑になる。我々は何人かの補強をするために交渉を進めているが、本当に困難を感じている。我々は理想的な状況に到達する必要がある。このディールがなるべく早く合意に達することを願っている」

 米スポーツ専門テレビ局「ESPN」によると、フェルナンデス強化部長はブラジル代表MFパウリーニョの入団会見でこう語ったという。セグラGMが移籍合意間近と発言していたが、強化部長がトップ選手補強の困難さを言及し、前言を撤回している。

「デンベレとコウチーニョは我々が愛する、長い間獲得を目指していた2人の重要な選手だ。彼らはコンディションも良く、適切な年齢で、我々のフットボールにも適応できる。彼らが来てくれるならいい。それが現状だ。リバプールとドルトムントへの敬意もある。交渉に時間が必要な時には、選手と自分たちに理想的な状況に持ち込むように努力する必要がある」

 フェルナンデス強化部長はこう語っている。バルサは二人の強奪を成功させることができるだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images