「Dear Diary / Fighter」より

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 13年ぶりとなる『NHK紅白歌合戦』出場をオファーされている安室奈美恵(39)が、NHKに対する交渉条件として、“フルコーラス歌唱”を要求していると、11月2日発売の『週刊新潮』(新潮社)が報じて思わぬ波紋を呼んでいる。『NHK紅白歌合戦』は通常、一アーティストにつき持ち時間は2〜3分で、だいたいワンコーラスまでとされているだけに、NHK担当者の苦悩は深いものがあるだろう。

 今年の紅白は、年内に解散予定となるSMAPの出演可否を巡って出演者選考が二転三転しているという。SMAP出場がどっちに転ぶかはまだ分からないが、紅白では当然、さらなる大物オファーを狙っており、今年のNHKリオ五輪のテーマソング『Hero』を歌った安室はその最有力候補とされている。

「しかし安室は、近年はライブ活動に注力しており、テレビ露出を控えている。そのためオファー当初は『ライブ以外での生歌披露は難しい』との回答が返ってきたとか。NHKサイドが何度か交渉を進めていく中で、新たな条件として『フルコーラスで歌わせてほしい』と、無理難題が吹っかけられたようです」(スポーツ紙記者)

 過去に紅白出場の経験がある安室サイドは、出演時間の規定をもちろん知っているだけに、今回の要求もNHKの誠意を“様子見”しているのだと思われるが、この高飛車な対応には、業界内でも疑念の声が浮かび上がっている。

「安室は、同世代の歌姫を目の敵にする傾向があり、これまでは同じレーベル内でもあった浜崎あゆみ(38)をやたらと意識していました。ところが今年は、同じ30代の宇多田ヒカル(33)が8年ぶりのアルバムをリリースするなど復活し、紅白も収録出演で決定したといわれています。今回の安室の条件は、その宇多田に対抗したのではと噂されているのです」(音楽関係者)

 NHKの朝ドラ『とと姉ちゃん』の主題歌となった、『花束を君に』が大人気の宇多田は、実はこれまでに紅白出場経験がなく、NHKとしても喉から手が出るほど出演してもらいたい大物の一人だ。「生放送では難しい」という宇多田サイドの条件をのむ形で、収録出演をOKしたというのだから、安室サイドはそれを面白く思わなかったのだろう。

■“浜崎化”が囁かれる安室

 宇多田と差をつけられるような見せ方にならなければ、安室はなかなか首を縦に振らないだけに、NHK関係者の苦悩は、まだまだ続きそうである。しかし、安室がこの態度で居続けられるほど、売り上げが伸びているかといわれるとそうでもない。

 今後、さらに売り上げが下降線をたどる可能性は高く、そうなれば浜崎同様に、紅白出場も“自ら辞退”となりかねない。今回8年ぶりの復活となった宇多田とは、既に大きな優先順位の差がついていると、関係者は指摘する。

「今年発売した宇多田ヒカルのアルバム『Fantôme』は初週で25万枚以上を売り上げ、安室が昨年発売した最新アルバムと比べても10万枚近く差があります。安室も、昨年事務所から独立し、今は個人事務所がマネジメントを行っていますから、これ以上のバックアップは望めません。売り上げも今以上に伸びることはないだろうと、関係者の間ではもっぱらの噂です」(前出・音楽関係者)

 8年ぶりに復活の宇多田に対抗意識を燃やしている間に、このままでは浜崎同様に失速の道をたどる可能性がある。紅白出場も、おとなしく承諾して顔を売った方が、まだ今後のためになりそうな気もするのだが。

文・阿蘭澄史(あらん・すみし)※1974年滋賀県出身。フリー記者。某在京スポーツ紙の契約記者を経て、現在は週刊誌等で活躍中。主な著書に『真相!アイドル流出事件簿』(ミリオン出版)、『事務所をクビになった芸能人』(竹書房)、『芸能人のタブー』(宙出版)など。