タバコを吸っていると、うつ病にかかりやすい?

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執筆:Mocosuku編集部


「ストレス解消のため煙草を吸う」という人は多いでしょう。

2015年2月に発表された英国心臓基金(British Heart Foundation)の報告書によれば、不安神経症やうつ病にかかる確率は喫煙者のほうが非喫煙者より1.7倍も多いのだそうです。

それは本当なのでしょうか?詳しくみていきましょう。

禁煙すればリスクは減る

40歳以上の6500人近くを対象とした調査の結果、不安症やうつ病にかかっている人の割合は、非喫煙者が全体の10%、元喫煙者で11.3%だったのに対し、喫煙者は18.3%。同じ調査では、喫煙者の36%が「喫煙でストレスが和らぐ」と答えています。

しかし、実際はそうではないようです。この数字からは、煙草をやめればリスクが減ることもわかります。

ストレス解消は一時的なもの

英国心臓基金副医長のマイク・ナプトン博士によると、喫煙によるストレス解消の効果は一時的なもので、すぐに禁断症状が現れるのだとか。

不安神経症になると、慢性的な不安や緊張など精神的な症状だけでなく、頭痛や動悸、肩こり、下痢など身体的症状が現れることもあります。女性のほうが男性の倍、かかりやすいそうです。

未成年者の喫煙防止

日本の喫煙率のピークは、1966年。男性が 83.7%、女性が18.0%と、共に1位を記録しています。その後、男性はどんどん下がって2014年には30.3%、女性も緩やかな下り坂で9.8%となっています。男性の喫煙率が50%を切ったのは1990年。

2003年5月にはWHO総会で「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」について、全会一致で条約案が採択されました。日本での条約締結は2004年6月8日。現在、世界163か国が締結しています。

日本たばこ協会と全国たばこ販売協同組合連合会などは2008年度から、成人識別のためのカードtaspoを導入するなど未成年者の喫煙防止に力を入れています。

広がる路上喫煙の禁止

路上喫煙、歩き煙草の禁止を始めて条例化したのは東京都千代田区です(2002年6月可決、10月より施行)。実施している区市町村が多いベスト3は東京、千葉、埼玉です。


値段に目を向けてみれば消費税引き上げや2016年4月からの値上げにより一番安いタバコ「ゴールデンバット」で260円、「ピース」や「セブンスター」は460円です。後者を1日1箱吸うと、30日で13,800円。年間だと約17万円の出費です。

本気でやめるなら、費用も比較的お手軽な、禁煙外来との併用がオススメ。チャンピックスを服用した卒煙者も、身近で増えてきています。

【参考】
『喫煙者のうつ・不安症、非喫煙者の1.7倍 英調査』 http://www.afpbb.com/articles/-/3040686
『不安神経症(全般性不安障害)』 http://health.goo.ne.jp/medical/search/10450100.html
『厚生労働省の最新たばこ情報』 http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd090000.html
『「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」について』 http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_tabacco/proceedings/material/tabakoa210326_j.pdf