(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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この1年、ほとんどの試合で日本のゴール前に立っていた西川周作は、川島永嗣が守るゴールを見てどう思ったか。

「まぁ自分がやることを一つ一つやっていかなければいけないし、ベンチの時は自分がプレーしているイメージを持ちながら頭を働かせていましたので、貴重な時間でした。(川島)永嗣さんは本当に素晴らしいプレーがたくさんあって、ここぞという時に仕事ができるプレーヤーは理想としているGK像なので、刺激になりました」

そう答えた後に西川はニヤリとして、「闘志は胸に秘めて、チャンスが来たときに表に出していきたいと思います」と語った。

約1年ぶりに日本代表のピッチに立った川島は、ファインプレーを見せつけた。22分、ディミタル・ランゲロフの至近距離からのヘディングシュートを左手一本で跳ね上げた。後半2失点はしたものの、88分、ジブコ・ミラノフのPKを横っ飛びではじき出した。かつて所属した名古屋グランパスのホームスタジアムで、川島は華麗なカムバックを果たしたのだった。

所属クラブがなかったときは、森に走りに行ったり、練習もまともにできないときもあったという。「そういう中で、自分が成長するためには何ができるのかということを、身体に常にしみこませて過ごしていた」という言葉が間違いでないことを川島は証明した。

この1年は川島にとって辛かったのか。

「うーん、辛さというか、どれくらい自分を信じられるかだと思っていました。それを自分が貫いて来られたからだと思います。そういう時間があったから、これからまた貫いていけると思います。まぁ、まだまだこれからです」

最後に、西川が「闘志を胸に秘める」と語っていたことを話してみた。川島はニヤリと笑いながら「いいんじゃないですか」と一言言うと、歩き去った。正GK争いがますます面白くなってきたのは間違いない。

【日本蹴球合同会社/森雅史】