2次予選では決定的な仕事をやってのけた本田だが、最終予選でも違いを見せつけられるか。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 ワールドカップ・アジア最終予選の組分け抽選会が4月12日に行なわれた。グループBに入った日本にとって、果たして恵まれた組分けとなったのだろうか。

【グループ組分け】※カッコ内はFIFAランク
グループA
第1ポット:イラン(42位)
第2ポット:韓国(57位)
第3ポット:ウズベキスタン(66位)
第4ポット:中国(81位)
第5ポット:カタール(83位)
第6ポット:シリア(110位)

グループB
第1ポット:オーストラリア(50位)
第2ポット:日本(57位)
第3ポット:サウジアラビア(60位)
第4ポット:UAE(68位)
第5ポット:イラク(105位)
第6ポット:タイ(119位)

 正直、判断しにくい。日本が苦手という印象もある中東勢はどちらも3か国(グループAはイラン、カタール、シリア。グループBはサウジアラビア、UAE、イラク)、2次予選で首位通過したチームも4か国ずつ(グループAはイラン、韓国、ウズベキスタン、カタール。グループBはオーストラリア、日本、サウジアラビア、タイ)と、“どっちもどっち”という印象だ。

 対戦スケジュールを見ても、ホームゲームとアウェーゲームが交互に組まれている。ホーム2連戦から始まった前回の最終予選に比べればメリットは大きくないように映るだけに、グループA、Bのどちらが恵まれているかを判断するのは難しい。

 とはいえ、初戦をホームで戦えるのはやはり大きい。

 明らかに格下揃いだった2次予選とは違い、ここからは本大会を含めて初戦が大きなポイントになる。仮にホームでいきなりUAEに黒星を喫した場合は、一気に暗雲が垂れ込めるはずだ。

 前回の最終予選での首位通過は、ホームでオマーンとヨルダンにいずれも快勝し、勢いに乗れたこその結果だった。その“勢い”を生む意味でも、UAEとのホームゲームは絶対にモノにしなければならない。

【対戦スケジュール/グループB】
1節/16年9月1日 日本×UAE
(他の2試合:オーストラリア×イラク、サウジアラビア×タイ)
2節/16年9月6日 タイ×日本
(他の2試合:イラク×サウジアラビア、UAE×オーストラリア)
3節/16年10月6日 日本×イラク
(他の2試合:サウジアラビア×オーストラリア、UAE×タイ)
4節/16年10月11日 オーストラリア×日本
(他の2試合:イラク×タイ、サウジアラビア×UAE)
5節/16年11月15日 日本×サウジアラビア
(他の2試合:UAE×イラク、タイ×オーストラリア)
6節/17年3月23日 UAE×日本
(他の2試合:イラク×オーストラリア、タイ×UAE)
7節/17年3月28日 日本×タイ
(他の2試合:サウジアラビア×イラク、オーストラリア×UAE)
8節/17年6月13日 イラク×日本
(他の2試合:オーストラリア×サウジアラビア、タイ×サウジアラビア)
9節/17年8月31日 日本×オーストラリア
(他の2試合:タイ×イラク、UAE×サウジアラビア)
10節/17年9月5日 サウジアラビア×日本
(他の2試合:イラク×UAE、オーストラリア×タイ)
 最終予選での注目点のひとつが、15年のアジアカップで戦ったUAEとの対戦だろう。
 
オーストラリアで開催されたアジアカップ、日本は準々決勝でUAEにPK戦の末敗れた。そこから監督が代わり(アギーレ→ハリルホジッチ)、2次予選を経てどう成長したのか──。日本の進化を測る“ひとつの物差し”になりそうだ。
 
 UAEとのホームゲームは、おそらく日本が攻め込む展開になるだろう。そうなれば、まさにアジアカップの準々決勝と同じ様相となる。
 
 シドニーで激突した際は、立ち上がりにカウンターからあっさり失点するなど守備陣の脆さだけでなく、決定機をなかなか決め切れない攻撃陣の不甲斐なさも目に付いた。アジアカップでの悪夢を払拭するためにも、UAE戦はとりわけ重要なのだ。
 
 ポット1のオーストラリアを警戒するのは当たり前で、ポット6のタイも2次予選はイラクを抑えて首位通過した難敵だ。どの相手に対しても勝ち星が計算しにくい最終予選では、初戦の勝敗がその後の戦いに大きく影響する。
 
 できれば避けたいのは、最終節までグループの2位以内を確保できない状況だ。最終節のサウジアラビアとのアウェーゲームは言うまでもなく、長距離移動、時差、酷暑と厳しい環境下での戦いが強いられる。そのうえ、「結果を残さないといけない」というプレッシャーも重ねれば、チームが困難に陥る可能性はありそうだ。

 このサウジアラビア戦を消化試合にするためにも、最終予選は白星スタートを飾りたい。
 
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)