年を取ってと丸くなった、では手遅れか(写真はイメージ)

写真拡大

米国立老化研究所の研究者らは、20代中盤のころ他人に敵対的であったり、他人が信用できない性格だった人は、そうでない人に比べ50歳になった時点で、認知能力が低下していたという研究結果を発表した。

研究では、心臓疾患発症リスク調査のため米国立衛生研究所(NIH)が実施している調査「Coronary Artery Risk Development in Young Adults Study(CARDIA)」から、1985〜1987年の時点で25歳だった男女3126人のデータを対象としている。

まず、1987年に参加者らに実施された、個人の性格を測定する「Cook-Medley Scale」という調査票の結果から、他者への攻撃性や閉鎖性を、「とても弱い」「弱い」「強い」「とても強い」の4段階に分類。その後、参加者らが50歳になる2010〜2012年に、言語記憶テストや精神状態の検査を実施。25歳時の性格と、50歳時の認知能力の関係を分析した。

その結果、他者への攻撃性や閉鎖性が「とても強い」と評価された人は、「とても弱い」人に比べ認知能力が最大で21%低くなっていた。年齢や人種、性別、これまでに受けた教育、うつ病の有無、これまでにつらい出来事があったかどうか、といった条件で調整しても、この結果に変化はなかったという。

研究者らは、今回の研究はあくまで観察結果であり、因果関係までは不明としつつ「若年時の性格を和らげることが、その後の認知機能の低下予防となるか、さらに検証してみる価値はある」とコメントしている。

参考文献
Hostile attitudes and effortful coping in young adulthood predict cognition 25 years later.
DOI:10.1212/WNL.0000000000002517 PMID: 26935891

(Aging Style)