INSIGHT NOW! 編集部 / クイックウィンズ株式会社

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今日、2月25日は「ヱビスの日」です。

1890年(明治23年)2月25日、東京・恵比寿に本社を置くサッポロビールのちょっと贅沢なビールブランド「恵比寿ビール」が発売されました。ヱビスビールはドイツから機械を取り寄せ、ドイツ人技師にビールの造り方を教わり、本場の味を追求して作られました。1900年(明治33)年にはパリ万博に出品し、30か国以上の中から選ばれて、金賞を獲得するという快挙を成しとげたそうです。(ヱビストリビア

今の渋谷区恵比寿という地名は、このビールにちなんで名づけられた町名です。さきに恵比寿ビールの工場ができ、1901年(明治34年)にビールの出荷用に「恵比寿停車場」が作られました。そのあとに旅客用の「恵比寿駅」が作られ、恵比寿と言う町になっていったのです。生産地名を付けた「地ビール」とは一味違いますね。

ヱビスビールは「ドルトムンダー」というビアスタイルで、ほどよい苦味とモルトの甘みが調和して穏やかな風味がします。今ではプレミアムというネーミングのちょっと贅沢なビールは多く販売されていますが、戦後復活した1971年(昭和46年)には、国産で麦芽100%というプレミアムビールはヱビスビールだけでした。その後、限定生産のものも含め何種類ものヱビスビールが開発され、今に至ります。

ビール類全体の出荷量は年々減少していて、2015年には11年連続のマイナスを更新しています。今の40代、50代くらいまでの人たちは居酒屋で「とりあえずビール」というのが定番ですが、30代以下はあまりビールにこだわらないようです。家庭用の缶入りアルコール飲料も多種多様な商品に押されるばかりです。それでも、味や機能にこだわったクラフトビールの好調と、将来の酒税一本化によるビールの実質値下げを見据えて、大手4社がビール事業強化を計画しているというニュースもつい先月見かけました。ビールの復権はなるのでしょうか。

「ヱビスの日」の今日は、とりビー世代の方も、そうでない方も、明治の世からの移り変わりに思いをはせて、とりあえずビール!をご賞味ください。