ヤンキース・田中将大【写真:田口有史】

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各選手が来季ヤンキースに必要か否か、米紙がファンにアンケート実施

 ヤンキース田中将大投手は6日(日本時間7日)、本拠地でのワイルドカード(WC)ゲーム・アストロズ戦に先発し、5回4安打2失点2奪三振3四球で敗戦投手となった。一発勝負ではサイ・ヤング賞有力候補の左腕カイケルとの投手戦が期待されたが、ソロホームラン2本でリードを許し、“一発病”に泣いた。3年ぶりにプレーオフの舞台を踏んだピンストライプの名門を勝利に導けず、打線が沈黙したチームは0-3で敗れた。

 昨季、7年総額1億5500万ドルという大型条件で加入した右腕は今季12勝7敗で防御率3・51。昨年は右肘靭帯部分断裂、今年は右手前腕部と手首の故障で2年連続で故障者リスト(DL)に入り、いずれも規定投球回に達しなかった。「エースにあらず」など厳しい声も寄せられる中、地元紙「ニューヨーク・デイリーニューズ」はヤンキースの選手に関して「キープするか」、「捨てるか」という究極の二者択一のアンケートを展開。田中に関しては85パーセントのファンが「必要」との見方を示している。

 ヤンキースの先発陣に故障者が相次ぐ中、最も支持を手にしているのは開幕前にマーリンズからトレードで加入したネイサン・イオバルディ投手で88パーセント。田中から教えてもらったスプリットを武器に右腕は14勝3敗と勝ち頭となった。

 続いて2番目に支持されているのが田中で、85パーセント。終盤戦にはア・リーグ東地区王者ブルージェイズ相手に力投を披露するなど、尻上がりに調子を上げた。3番目はマイケル・ピネダ投手の74パーセントとなっている。

サバシアには厳しい評価、野手陣は…

 一方、4番目は今季トミー・ジョン手術から復帰したイバン・ノバ投手が入ったが、否定的な声が過半数を上回り、「捨てろ」が54パーセントに。また、プレーオフ直前にアルコール中毒のリハビリのために更生施設に入ることを発表したCCサバシア投手も否定的な声が72パーセントに達している。実績抜群の左腕は厳しい評価を受けている。

 メジャー屈指と称されたブルペンは軒並み高評価。中継ぎと先発をこなしたアダム・ウォーレン投手は残留支持が84パーセント。ジョー・ジラルディ監督の酷使で終盤息切れしたオールスター右腕デリン・ベタンセス投手はチーム2位の92パーセントが残留を支持。クローザーのアンドリュー・ミラーも91パーセントと高い支持を得ている。一方、今季開幕前に日本球界への挑戦希望も示していたクリス・カプアーノ投手は炎上を繰り返し、1か月に4度もマイナー行きを宣告させられるなどしており、放出を支持するファンが85パーセントに達している。チェイスン・シュレーブ投手も52パーセントが放出に賛同している。

 また、主だった野手では禁止薬物使用問題による1年間の出場停止処分から復帰し、カムバック賞候補にも挙がっているアレックス・ロドリゲス内野手は必要とする声が58パーセントに。カルロス・ベルトラン右翼手も58パーセントの支持を手にしている。

 田中同様に高年俸を手にしながらワイルドカードゲームでスタメンから外されたジャコビー・エルズベリー外野手は残留支持が55パーセント、生え抜きのブレット・ガードナー外野手は63パーセントが残留支持。今季トレードで加入したディディ・グレゴリアス内野手も必要の声が88パーセントと高支持率を手にしていた。

先発投手陣で2番目に支持率が高かった田中、全体では6番目という結果に

 田中の女房役であるブライアン・マッキャン捕手は残留が78パーセント。ジョン・ライアン・マーフィー捕手は82パーセントと正捕手のマッキャンを上回る支持を得ている。終盤戦に右足の骨折で離脱したマーク・テシェイラ内野手は残留支持が53パーセントとやや低かった。

 また2015年シーズンのヤンキースで最高の支持率を獲得したのは期待のルーキー、グレッグ・バード内野手の93パーセント。最悪の支持率は打率.201に終わったスティーブン・ドリュー内野手でわずか13パーセントだった。

 さらに同紙はジョー・ジラルディ監督に関して56パーセント、ブライアン・キャッシュマンGMは51パーセントが残留を支持したことを伝えている。また、ラリー・ロスチャイルド投手コーチはスタッフ陣で最高の63パーセントの残留支持を手にしている。

 シビアなヤンキースファンの中で、田中の支持率は先発陣で2位、投手陣全体では10人中4位。またヤンキース全体では6番目に高い支持率となっている。