県立商工、1勝2敗に終わるが来春に期待を持たせる内容

本塁打を打った中本(県立商工)

 ともに0勝2敗。県大会出場は望み薄となったが、何か収穫に残る材料を残したい。そんな両者の対決となったが、夏の主力が多く残る県立商工が試合を制した。

 県立商工が一死一、二塁のチャンスから4番中本 海都の3ラン本塁打で3点を先制。夏から主軸打者として活躍する中本。背番号2をつけているが、この試合では一塁手として出場。やや左肩が上がり、ヘッドが下がったスイングになってしまうのが気になるが、フォローの大きさ、インパクトの強さ、飛距離ともども公立校の打者とは思えないほどパワフル。2打席目以降、もう1本打とうとして、ヘッドがさらに下がったスイングになっていたが、それでもレベルの高い投手との対戦経験を積んでいき、崩されながらでも打つ技術を身に付け、甘い球を見逃さない鋭さを身につければ、トップレベルの活躍が期待できそうだ。

 3点を先制したが、1回裏、一死一、二塁から4番雨宮の場面で、三盗を誘うとした2点を返され、苦しい試合展開となったが、2回表に一死一、二塁から2番磯部大雅の適時二塁打、2点を返したのが良かった。

3回表、5番古屋 羅威夜の安打、6番袰岩恒太の四球、7番横山将也の四球で満塁となり、8番三好の2点適時打をきっかけに、打者14人で10得点で、15対2と大きくリード。この10得点で試合を決めた。

 先発の袰岩は、初回に2点を取られたが、その後は横浜南陵打線を抑え、5回コールド勝ちを決めた。 県立商工は1勝2敗で、県大会出場はなくなってしまったとはいえ、選手の潜在能力は高いものがあり、ここ一番で畳みかける打撃力も素晴らしい。中本を紹介したが、他では3番を打つ小島 涼はシュアな打撃とフットワークが軽快な守備は健在で、背番号1を付ける古屋は捕手だが、まだモーションが大きいが、なかなかの強肩で、中本に負けないパワフルなスイングを見せた。先発の袰岩は5回を投げて8奪三振を記録したように、120キロ台でもキレのある速球が光る投手。

 地区予選でも3連勝した武相と4対5と善戦した。打撃面は常に自分のスイングを実践し、打ち損じすることなく打ち崩せるか。守備でもこの打球が取れたら投手は助かるというところをヒットにさせるなど、ここ一番で球際に強くなれば、攻守に粘り強いチームとなって、強豪校を脅かすチームになることを期待したい。

(文=河嶋 宗一)

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