なかなか決定打が出ない中、市原中央が突破口を切り開く

粘り強い投球で完封した安藤(市原中央)

 市原中央vs暁星国際の試合は、お互い初回から得点圏まで走者を進めるも、決定打が出ずに得点を挙げられない。両者からすれば、フラストレーションが溜まる試合展開。3回を終えて1時間を経過しており、ゆったりしたテンポの中、試合が進んでいった。

 なかなか決定打が出ないこの試合の突破口を切り開いたのは市原中央であった。 一死から3番小川の中前安打、4番加藤の四球で一、二塁のチャンス。5番森は遊ゴロ。緩いゴロになったのが幸いし、併殺にならず、二死二、三塁。6番陣野がストレートを振り抜いた打球は左前へ転がり、ようやく飛び出した適時打で市原中央が1点を先制する。

 1点を先制したことで、リズムの良い試合展開となった。6回表、市原中央の先発・安藤が両チーム初めてとなる三者凡退で締めると、対する暁星国際の先発・塚田は走者を出しても長くなることなく、テンポよく試合が進んでいく。 市原中央の先発・安藤は、インコースを徹底的についたり、外角スライダーを投げたりと、丁寧な投球が光った。安藤に援護点を与えたい打線は、8回裏、一死一、三塁のチャンスを作り、8番のスクイズで1点を追加し、9番斎藤の適時打。二死一、三塁から2番河西の左前適時打で4対0とする。 そして安藤は9回表に再び走者を背負うが、牽制で走者を刺して試合終了。市原中央が完封勝ちで代表決定戦に駒を進めた。市原中央は、エースの安藤は夏から背番号1を背負った。走者を出しても、落ち着きのあるマウンドさばきで失点を防ぐことができていた。

 敗れた暁星国際だが、この夏は1年生が15人もベンチ入り。そして監督も、報徳学園出身で、2008年夏の甲子園メンバーだった中川将志監督が就任し、再び野球部に力を入れ始めた学校。あと一歩のところで敗れたが、今後は千葉県に新たな風を吹かせる可能性を持ったチームであった。

(文=河嶋 宗一)

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