芝浦工大柏、初回打者14人の猛攻!コールド勝ちで代表決定戦に弾み!

3番・小野(芝浦工大柏)

 甲子園の決勝を前日に終え、本格的に秋の始まりを迎えた8月21日。千葉県秋季大会一次予選の第4地区2回戦2試合が柏の葉運動公園野球場で行われた。第1試合は、芝浦工大柏と流山南の対戦。芝浦工大柏は1回戦から出場し、関宿・流山を9対2で下している。流山南はこの試合が秋の初戦。登録ベンチ入りメンバー10名で大会に挑む。

 1回裏、一死から芝浦工大柏2番・宮下に四球を出し、3番・小野と向かい合っている流山南先発・佐々木はボークを取られる。これで動揺したか、佐々木は小野に四球を与えた後、4番・大熊から4連打を許してしまう。こうなると一度傾いた流れは止まらず、エラーに四球、そしてタイムリーと打者14人を送り込み8点を挙げた芝浦工大柏が大量リードを奪う。

 直後の2回表、早いうちに反撃をしておきたい流山南は先頭の5番・近田が四球を選び出塁するが、後続がサードフライ。そしてダブルプレーに打ち取られ、チャンスを作り出すことが出来ず。このまま一気に芝浦工大柏ペースのワンサイドゲームになるかと思われた。

 しかし、3回にも二死から小野が二塁打を放ち、大熊が四球を選んだ後盗塁を決め二死二三塁を作り出すが、得点ならず。4回も得点圏にランナーを進めるものの、なかなかあと一歩が出ず、4回を終了した時点で得点は初回、立ち上がりの乱れに乗じて奪った8点のみと、少々嫌な展開となる。

 芝浦工大柏の攻撃を何とかくい止めている間に一矢を報いたい流山南だったが、こちらも得点が奪えない。4回表には先頭の3番・竹がヒットで出塁。四球と内野ゴロの間に三塁まで進むがあとが続かない。5回表には一死から代打・飯岡がヒットを放ち出塁。しかしここで芝浦工大柏2番手としてマウンドに上がった角川に連続三振に取られてしまう。

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先発・佐々木(流山南)

 そして5回裏、芝浦工大柏は相手エラーで先頭打者を二塁まで進めると、3番・小野がライト線を破るタイムリースリーベースを放ち、喉から手が出るほど欲しかった9点目を奪う。小野はこれで初回から四球、ヒット、ツーベース、スリーベースとあわやサイクルヒットの大活躍を見せた。

 ランナーを三塁に置いて、まだ一死。コールドまであと1点。この場面で、追い詰められた流山南は前進守備を取る。守備をかいくぐりコールドを成立させたい芝浦工大柏の打順は、4番・大熊。そして期待を一身に背負う大熊が、強いゴロを放つ。この打球に対し流山南ショート・竹は鋭い反応を見せ横っ飛びでこれを抑えるものの、一塁への送球がやや低くなってしまう。ボールが後ろに逸れるその間に三塁から小山が還り、10点目。芝浦工大柏が5回サヨナラでコールドゲームを成立させた。

 最終的に10対0の5回コールドにはなったが、球場で見ていた観客からすると、もっと点を取られるものだと思ったのが正直なところではないだろうか。流山南は初回の点の取られ方から、良く立ち直ったといえる。登録メンバー10人全員での戦いは、まだ始まったばかり。昨秋も二次予選から勝ち上がり、県大会では2回戦進出を果たしている。諦めるには、早過ぎる。2回以降見せた粘り強さ、気持ちの強さを是非発揮してほしい。

(文=青木 有実子)

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