コミュニケーションチャネルを確保せよ!/泉本 行志
私はプロジェクト型の仕事を始めた当初は、
「コミュニケーションなんて、その都度やればいいでしょ。」
くらいにしか思っていませんでした。
コミュニケーションのやり方とかルールとか、
そんなの大した話ではないと軽視していました。
でも結局それで痛い目に何度も会うことに。。
利害関係者が少なく、都度「その場で話合って進めればいい」
くらいな規模のプロジェクトならいいですが、
それなりの規模のプロジェクトで仕事をするときは、そうはいきません。
何の情報を入手できず、何も決められないということが起こります。
コミュニケーションチャネルには大きく2つあります。
オフィシャルなものとインフォーマルなもの。
オフィシャルなものは、正式に決められた責任者との
定例会議とかフォーマルに開催されるミーティングなど。
インフォーマルなものは、実際の業務やシステムに詳しい
現場の担当者との個人的なつながりによる
個別のやり取りなど。
この両方のコミュニケーションチャネルを確保しておくことが、
プロジェクト成功の鍵となります。
たとえば、プロジェクトを立ち上げるとき、
特にグローバルプロジェクトでは、“Communication Strategy” と銘打って、
コミュニケーションチャネルを確保することをしっかり計画します。
もちろん、グローバルプロジェクトに限らず行わることですが、
私のこれまでの経験上、グローバルプロジェクトの方が
ここら辺をはじめからきっちりやる感があります。
日本人同士だと、何か問題があったら、「そのときまた調整しましょう。」
と濁すところも、グローバルでは、事前に必要なコミュニケーション
を想定してオフィシャルなチャネルを設計しようとする傾向が強いです。
また、実際の情報はビジネスの現場に落ちていることが多いことから、
インフォーマルな、より個人的なつながりのチャネル確保も重要です。
プロジェクトにアサインされている人が、必ずしもその業務に
精通しているとは限らないからです。
さらに、オフィシャルな場では面倒な話も、こういったチャネルで
たとえば喫煙室で話をして、お互いの理解が深まることも起こります。
ただ、注意すべきは、こういったインフォーマルなチャネルで
情報収集したこと、仮決めしたことは、必ずオフィシャルなチャネルに
乗せ直すということです。
プロジェクトが忙しくなったとき、うまく進まなくなってきたとき、
どうしてもみんな逃げ腰になりますよね。
インフォーマルでやってきたことも、だんだん雲行きが怪しくなると、
みんな急に我関せず的な態度に変わってしまったりすることがあります。
(私も何度も梯子を外されたことがあります。)
そんなヤバイ状況になった時点から、オフィシャルな
コミュニケーションチャネルで話を進めるのは困難です。
オフィシャルなチャネル、インフォーマルなチャネル
この二つの行き来きして、いかに仕事を進めていくか。
このコミュニケーションチャネルの使い方をうまく設計して
仕事を進めるのと、行き当たりばったりでやるのでは、
大きく結果が異なります。
だからこそ、プロジェクト当初の重要な活動の1つとして、
コミュニケーションチャネルをしっかり確保すること。
これを意識することが大切になります。