新規事業考(3)ヘルスケア新規事業のme too現象はなぜ?/大川 耕平
・なんで似るの?
なんで多くの企業が似たようなプロダクトを同時期に開発し、同じような失敗をするのだろうか?
国内のマーケットで成功構造が描けるのでは?と期待されているヘルスケア事業領域において
- ・睡眠をテーマとした計測サービス
- ・ライフログを活用した健康サービス
- ・職域領域の予防サービス
この3つの領域に30社を超える大企業がひしめいている。模索中の企業が今度も出てくるかもしれない。
・なぜこうなるのか?
まだまだ、R&D(リサーチ&デベロップメント)で新規事業を模索する企業が多く、リファレンスする情報源(データレポートなど)が同じでプロジェクト進行技術が同じなので似たような方向で社内合意形成がなされる。
この流れでme too現象が拡散される。
縦割り主義のものづくり主導型である程度までつくりこんでから調査をするも、適切なインサイト設計技術が乏しく思うような調査結果でないまま押し切る式にローンチというパターンを何度みてきたことか!?
特にヘルスケア領域における事業開発から運営、拡大プロセスは「モノ拡大生産」発想の成功方程式が通用しない世界です。
また、新規事業はロケット打ち上げではない、地道に経験から学びコツコツと積み上げていくものです。
ヘルスケア事業は成長産業に変わりはないですが、事業ユニットの単位はモノ拡大生産のようなダイナミズムにはなりにくいです。
そして最初からマスは存在しておらず、提供する価値の共感者を増やしていくスタイルのビジネスモデルがほとんどです。
2008年にスタートした特定検診事業・特定保険指導事業による職域健康指導マーケットを皮切りに2012年からいきなりグローバルでも盛り上がり始めたmobile Health(デバイス・スマホ・アプリ)領域へアプローチする国内企業はヘルスケア事業をサービスモデルとして位置付け自らも経験価値創出のために顧客との共創スタイルを確立できたところが業界をリードしていくはずです。
さて、2015年後半からそのリードをどこが取るか少しだけ見え始めると思います。ヘルスケア事業にチャレンジする企業に注目してください!!