ドコモ「月々サポート」改定は改悪か、半年以内に機種変でiPhone 6が7万3000円割高になる可能性もある?

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日本のスマホが普及したのは、キャリアの月々の割引サービスがあったからだ。
この割引は、2年間使うことを条件に月々の利用料金を割り引くという制度である。

この割引のおかげで、8万円も9万円もするスマホが実質負担1万円や2万円で済んできた。

しかし、NTTドコモは、この割引制度にメスを入れてきたのだ。

●半年以内の機種変更は”超”割高に
7月1日より、NTTドコモは月々サポートを一部改定するとしている。
「月々サポート」というのは、前述の月々割引のドコモでの名称だ。
つまり、ドコモ販売のスマホで、毎月の利用料金を一部割り引くことで、スマホ購入負担を軽減する仕組みだ。

2015年7月1日(水曜)からの改定内容は以下となる。
2014年9月以降に発売された機種で過去6か月以内に
・機種購入手続きがなされている回線(新規や機種変更で機種購入した)
・XiからFOMAへの契約変更がなされている回線
で購入の場合、本割引の対象外、つまり月々サポートの割引をしないというものだ。



赤枠の中が追加された注意事項だ


特に注目したいのは「機種購入をした」という点だ。
機種購入とは
・新規
・MNP
・機種変更

すべてにあてはまる。

たとえば、iPhone 6 64GBモデルの場合
月々サポート適用して、実質2万2680円で購入できる。(※iPhone買いかえ割適用時)
しかし、半年以内機種変更を行っていた場合は、これが9万6552円になる。
その差、実に7万2872円も高い料金がかかるのだ。

特に、悪意ある機種変更ではなく、事故や盗難、紛失などアクシデントでスマホを消失した際、機種変更で大きな負担増になる可能性とならないか、心配だ。

一般に、半年以内に機種変更する人は少ない。毎回新モデルの発売に合わせて購入する必要のある人(マスコミやマニア、関係者)ぐらいだろう。

しかし、紛失や水没などの全損といったアクシデントでは事情がかわってくる。

たとえば、スマホを購入後、半年以内で紛失してしまったとする。
当然、新しいスマホが必要となるため。機種変更手続きを行うだろう。
月々サポートは、
「現在月々サポートを適用している回線(契約)で機種変更を行うと、月々サポートは終了する」という決まりがある。

つまり、
・今までのスマホに対する月々サポートが無くなる
・次のスマホの月々サポートも対象外になる

と、負担が増えるのだ。

こうした負担増を回避するには、
・新規や機種変更時に「ケータイ補償サービス」に加入しておく
・2014年8月までに発売されたスマホを探すか
・自身で中古スマホを探す

といった方法をとる必要が出てくる。

ドコモは、スマホの新規や機種変更で購入する際に、紛失や水没に対応する「ケータイ補償サービス」(月額380円か500円)に加入できる。このサービスに加入しない状態で、半年以内アクシデントに会うと、前述のように、まさにふんだり蹴ったりの状態に陥ってしまう。

●割引の縮小するドコモ
なお、ドコモにはもうひとつ問題がある。
それは、スマホを購入する際に受けられる利用料金割引サービス対象プランである。


・ドコモ 通話し放題プランのみ
・au 通話し放題、旧プランも対象
・ソフトバンク 通話し放題プラン。旧プランも対象

ここでいう旧プランというのは、月額1000円程度の安価なプランである。

ドコモのみ、利用料金割引サービス対象が、毎月2700円の通話し放題プランのみになる。
つまり、ドコモのスマホは、「タイプXiにねん」などの割安な料金プランは割引対象外なのだ。

今回の変更は、
あまり通話しない人に対してはただの値上げと受け取られても仕方ない
半年以内にアクシデントで紛失などの場合、割高になる可能性が高い
など、改悪と思われる要素があるので、利用者側も注意が必要だ。

なんでも割引して欲しいは言わないが、ドコモにはもう少一般の健全しユーザーのメリットも大事にして欲しいと思う。


布施 繁樹