安倍内閣が臨時国会で最重要法案と位置付けた改正教育基本法が15日、参院本会議で与党側の賛成多数で可決、成立した。同法は教育に関する根本的・基礎的な理念を定めたもので、改正は1947年の制定以来、初めてとなる。

 改正法は、現行法が個人の権利尊重に偏っているとして、前文に「公共の精神を尊ぶ」とうたった。また、「教育の目標」を新設し、「我が国と郷土を愛する態度」とのいわゆる「愛国心」表記を盛り込んだ。そのほか、6・3制の義務教育の変更も視野に入れながら、「9年の義務教育」との規定を削除している。

 このため、反対派からは「日本を“我が国”と呼べない国籍・民族の子どもを排除するもの」「人格のあるべき姿を法律で決めるのはおかしい」などと批判や意見が出されていた。

 採決に先立ち、与党側は同法成立に万全を期すため、衆院本会議で19日まで4日間の会期延長を議決。一方、野党側は政府のタウンミーティングでのやらせ質問や麻生太郎外相の核兵器保有議論容認発言の責任を問うため安倍内閣不信任決議案を提出した。参院には伊吹文明文部科学相の問責決議案を提出したが、いずれも与党側の反対多数により否決された。【了】