「希望を分析することが、社会状況を知るのに役立つ」と話す東京大学社会科学研究所の玄田有史助教授(撮影:佐谷恭)

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希望とは何か、希望は社会とどう関わりを持つかなど、社会の中で希望の意味と在りかについて学術的に検証する「希望学プロジェクト」の旗揚げを宣言する「シンポジウム 希望学宣言!」(東京大学社会科学研究所主催)が15日、東京都渋谷区の東京ウィメンズプラザで開かれた。

 「希望学宣言!」した東京大学社会科学研究所の玄田有史助教授は「希望は個人の内面の問題と言われるが、記録やデータなど客観的な事実を積み重ねて検証することで、社会の原動力や産物として考察できる。希望を分析することが、社会状況を知るのに役立つ」と意義を語った。また、「学問はベンチャー。後出しジャンケンをするように、最終的な結果が分かってることをしてもしょうがない」と、希望を学問として扱うことに懐疑的な意見を一蹴した。

 シンポジウムの冒頭で、同研究所長の小森田秋夫教授は「完成したときでなく、プロジェクトの立ち上げから発表するのは、学術プロジェクトでは珍しい。学者以外にも参加してもらい、意見がほしいのでこのようなシンポジウムを学外で開いた」とあいさつ。「希望学プロジェクト」では、一般の人と語る「希望サロン」を開くことを1つの大きな特徴としている。【了】

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