「天国の駅」における吉永は、戦争で不能になった夫に満たされず、そっと指を股間に忍ばせ、切ない息を漏らす。今までの吉永と一線を画す生々しさだ。さらにその瞬間を若い警官(三浦友和)にのぞき見されたことから、事態が劇的に変化する。三浦が演じた小悪党の警官もイメージを大きく変えるものであり、早坂は「こういう役がやりたかった」との三浦の言葉を聞いている。監督の出目は、新たな役に対してひたむきな吉永に感服