ドイツのメルケル首相が6日から8日にかけて訪中し、中国とドイツは電気自動車の分野で協力を行い、電気自動車の充電プラグの規格を両国で統一することで一致した。中国メディアの中国経済網は16日、「充電プラグの規格統一は日系車に矛先を向けたものかもしれない」と論じた。(イメージ写真提供:123RF)

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 ドイツのメルケル首相が6日から8日にかけて訪中し、中国ドイツは電気自動車の分野で協力を行い、電気自動車の充電プラグの規格を両国で統一することで一致した。中国メディアの中国経済網は16日、「充電プラグの規格統一は日系車に矛先を向けたものかもしれない」と論じた。

 記事は、日本、ドイツ、米国の自動車メーカーにとって中国は極めて重要な市場であり、その中国市場において将来的に「中国ドイツの自動車メーカーが生産する電気自動車の充電プラグの規格は、完全に統一されることになる」と紹介。ドイツメーカーの電気自動車にとって中国市場攻略が極めて有利になるとの見方を示した。

 一方で、中国電力企業連合会標準化センターの劉永東副主任の話として、「充電規格の統一はプラグのサイズを統一するだけという簡単なものではない」とし、実際にはプラグの材料や電気回路、電気制御や通信など充電設備全体の統一が必要になると論じた。

 現在、電気自動車の充電規格には、日本の「CHAdeMO(チャデモ)」のほか、欧米の自動車メーカーによる「コンボ」、中国のGB規格などが存在する。記事は「中国ドイツの充電規格が統一されるということは、中国自動車メーカーのBYDと、ドイツのBMW、ベンツが生産する電気自動車が同じ規格を採用することを意味する」と指摘した。

 続けて、日系自動車メーカーは中国市場において一定のシェアを獲得しているとする一方、「電気自動車の分野において、日本と中国は何ら協力関係にない」と指摘。日系車は中国の消費者からも受け入れられているとしながらも、「日系車の命運は政治的要素の影響を受ける」とし、中国ドイツの充電規格を受け入れることを決めたのは日系車の追い落としが目的である可能性があるとの見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)