二刀流、日本ハム大谷翔平が絶好調だ。投手として先発登板した4月20日の楽天戦(コボスタ宮城)で今シーズン2勝目をあげ、チームの連敗を3で止めた。

内容も7回途中を投げ8安打2失点、6回には楽天の主砲アンドリュー・ジョーンズとの真っ向勝負、154キロのストレートで空振りに取るなど充実した内容だった。昨年から無傷の5連勝と登板すると負けが付かない不敗神話と、何もかも「持っている」という印象の19歳に、昨年のシーズン当初から手厳しく二刀流を批判していたノムさんこと野村克也氏も前言撤回で大絶賛した。

TBS系スポーツ番組「S☆1」に出演したノムさんは、大谷について「最初二刀流は反対していたけど、10年に1人の逸材。今日のピッチングで考え方が変わった」と、ついに大谷が挑戦する投手・打者の二刀流を認めた。

類稀な体格に関しても「大きいね。プロレス業界も欲しいだろ(笑)」とビデオを見ながら解説。普段はかなり辛口なノムさんだが、この試合のハイライトとなったアンドリュー・ジョーンズへ投げたストレートに関しても、「お見事、力勝負で大谷の勝ち。ボールに意思が伝わってるよ。ボールと会話している」と、過去に類を見ないほどの賛辞を述べた。

「そんな大谷の課題は?」との質問には、「もっと闘志を見せて欲しい、まだ遠慮しているんでしょ」と、課題というより自身のリクエストを語った上で、「打者としても本当に10年に1人。とんでもない選手だよ。二刀流でOKだと思う」と、さらに太鼓判を押した。

これまで投手・打者両方で活躍するプロ野球選手が存在しなかったこともあり、事あるごとに「プロはそんなに甘くない」と、大谷二刀流に異を唱えていたノムさんだが、「新しいスターが出るのは大歓迎。必ず球界をしょって立つ存在になる」と、大谷へ大きな期待を寄せていた。