――MMA、そしてグラップリングの練習再開、その初日でも、動きは軽やかでしたね。

「コンタクトの激しいスパーリングを中断して3週間ほどだったんですが、打撃はやっていたので。それに走ったり、泳いだり、負傷箇所に負担の少ない練習をしていました。でも、グランドスラムへ行ったこと自体が久しぶりでしたね」

――エリック・ペレス戦が決まってからも組み技やMMAのスパーリングができなくて焦りはなかったですか。

「決まる直前に古傷が再発したので、ペレスの名前を聞いた時は、もう組み技の練習は止めている時でした。でも、ノーという選択肢は当然なかったです。ピケットと出来なくなった時点で、UFCが言ってきた相手と戦うことが最善なんだろうと思っていました」

――正直、その名前を聞いて、顔やファイトスタイルなどすぐに思い浮かびましたか。

「全然浮かばなかったです……。そこから試合映像をチェックしたのですが、全て1Rで終っているので今一つ、ピンとこない。つかみどころがない選手です。彼の方も負傷で、かなり試合期間が空いてしまっているので、現状の力の見究めは難しいですね」

――そのような状況でも、水垣選手としてはどのような試合をしたいと思っていますか。

「技術的なことよりも、若くて連勝もしていて勢いがついているファイターなので、そこに気を付けたいですね。怖さを知らないで、思い切り……、無鉄砲に攻めてくることもあると思うので。そういう勢いに呑まれないようにしないといけない。そこが一番大切ですね」

――WECの時と違って、一つ勝てばトップ集団と戦うという状況ではなかなか無くなって来ていますね。

「WECの最後の試合でユライア(フェイバー)と戦わせてもらい、UFCでも一つ勝って(ブライアン)ボウルズとやらせてもらったので――。比較的チャンスを貰っていたのに、そのチャンスを悉く潰してきたのは自分なので、そこはしょうがないと思っています。あそこで負けているので、下の方で結果を残さないといけないとUFCが考えるのも当然だと思います。

UFCになってから、バンタム級の層も厚くなっていますし。トップ10を狙うという自分と同じポジションにいる選手も多くなっています」

――今年に入って手塚基伸選手、田村一聖選手という2人の日本人バンタム級選手がリリースされました。この厳しい状況をどのように捉えていますか。

「僕は常にリリースされるという気持ちを持って戦ってきたので、この間のリリースの嵐を前にしても、精神的に追い込まれるということはないです。リリースが多いことで、焦りも感じていません。その部分は逆に開き直っています。そうですね……、もう気にならないですね。そこは大丈夫です」