今回で7回目を迎える東京マラソン。招待選手だった藤原新選手が左太もも裏炎症のため欠場と発表されましたが、2時間4分16秒の自己最高記録を持つ、ケニア人のデニス・キメット選手をはじめ多くのトップ選手が、東京の街を走り抜けます。

 ところで、マラソンのトップ選手の年収とは、一体いくら程なのでしょうか。野球やサッカーでしたら、選手の成績や経験、球団の財政状況などから推定した金額をメディアが報道しますが、マラソン選手の収入の話はなかなか話題になりません。

 選手の年収について、東アフリカのランナーのマネージメントを手がけていたエージェントの幹部から、彼らの年収とその内訳について聞くことができたと、書籍『42.195kmの科学』のなかで紹介されています。

 「真のトップランナーであれば、スポーツ用品メーカーとの年間の契約金は10〜20万ドルになります。それに加えて、大きなレースなら一回の出場料が最低でも5万ドル程度。さらに、オリンピックや世界選手権の金メダリストないし世界記録保持者クラスであれば10万ドルを超えるかもしれません」

 また、その他にも、優勝や世界記録を出した場合には10万ドル程度のボーナスが出ます。つまり、1つのレースに出場するだけで、20万ドルを獲得する可能性があるのです。年に2回大きなレースに出場すれば、年収30万ドル以下ということはありません。優勝を狙えるトップランナーでしたら、年間50万ドル獲得も可能なのです。

 1ドルを93円で計算すると、50万ドルは、なんと4650万円。先のデニス・キメット選手の母国・ケニアの平均年収は8万円ほど。そう考えるととてつもない大金を得ることになるのです。マラソンに打ち込む理由は、賞金だけではもちろんありませんが、大きなモチベーションになることは間違いありません。

 明日の東京マラソンでは、どの選手が優勝するのでしょうか。マラソンのレースは、その選手の一生を左右しかねない戦いとも言えるのです。



『42.195kmの科学 マラソン「つま先着地」vs「かかと着地」 (角川oneテーマ21)』
 著者:NHKスペシャル取材班
 出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
 >>元の記事を見る



■ 関連記事
大友克洋が亡き友人に捧げるデザイン−白山宣之遺作集『地上の記憶』
細い選手のあだ名が「ガリクソン」などの「野球部あるある」
婚活優等生最有力候補は○○ができる女子!?


■配信元
WEB本の雑誌