香川を襲うビッグクラブの宿命、批判を打ち消し世界中からの期待に応えられるか

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 今や香川真司は世界中から注目されるサッカー選手となっている。ゴールを決めれば世界中に映像が配信され、何か発言をすれば世界中でその言葉が翻訳される。

 しかしマンチェスター・Uに所属するからにはポジティブな情報だけが伝えられるとは限らない。結果を出せなければ、過剰なほどの批判を受けるのが、ビッグクラブに所属する選手の宿命だ。

 例えばUAEの『emirates247.com』は、かつてマンチェスター・Uに所属したファン・セバスティアン・ベロンの名前を引き合いに出し、香川のプレーが満足できるものではないと伝えている。

 ベロンは2001年、イングランド史上最高額といわれる2810万ポンド(当時約50億円)の移籍金でユナイテッドに加入。しかし、ラツィオやパルマ時代に見せたパフォーマンスを発揮するには至らず、期待を裏切る形でオールド・トラッフォードから去った。

「ベロンは完全に異なる理由で活躍できなかったわけだが、5試合を終えた時点での香川にもその傾向が見られる」

「日本人プレーメーカーはその技術を示す一方で、身体能力の部分で劣っていることは明白だ」

「香川は明らかにマイケル・キャリックからボールを受け、ロビン・ファン・ペルシーへパスを通す仕事を与えられた選手だ。しかし、彼のパスのほとんどは相手のゴールに近づくものではなく、パスを送ってきた相手へ対してボールを返す類のものだ。実際、チャンピオンズリーグのガラタサライ戦でもファン・ペルシーを見つけられていなかった」

 まだリーグ戦は5節が終わったのみで、カップ戦を含めても10試合にも満たない。しかし、ユナイテッドにおいて存在感を発揮できなければ、日に日に香川に対する評価は厳しいものに変わっていくだろう。

 ビッグクラブにおける洗礼とも言える出来事を、香川は乗り越えることができるのか。そのプレーぶりに、ますます注目が集まる。

[写真]=Getty Images