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明治神宮野球場
中堅:120m 両翼:公称101m 左右中間:112.3m
グラウンド面積:13,065m2(イラストをもとにプログラムで算出)


今回取り上げるの東京ヤクルトスワローズの本拠地にして東京六大学野球の
開催野球場としてもおなじみの明治神宮野球場(以下、神宮球場)です。


80年代後半から始まるドーム野球場を中心とした新野球場建設ラッシュ以降
大型化していく日本の野球場の中、両翼90.9mの神宮球場はサイズ的に
横浜スタジアムと並び若干時代に取り残された存在ではありました。
しかし2007年オフに行われた大幅な拡張工事により両翼は101mへと大きく広がり、
いわゆる野球の国際規格を満たした国内最大級の大型の野球場へと生まれ変わった、


のか?


YAKYUJO.comでは通常、野球場のイラストを作成する場合、
中堅、両翼、左右中間の公称されている数値を起点にしたうえで、そこに
航空写真、野球場の俯瞰による図面などを重ね合わせて描きおこしていくのですが、
神宮球場の両翼を公称どおり101mに設定するとどうしても外野フェンスの
カーブの形状が再現できませんでした。
これはどうにもおかしいということであれこれ調べていると、
実は神宮球場の両翼は101mではなく『97.5mである』という情報がちらほら。
試しに両翼の数値を97.5mとすると、イラストの外野フェンスの形状は
航空写真とピタリと重なって再現できるということでどうやらこの数値が
正しいものということなのでしょう。


では『神宮球場の両翼は97.5m』の根拠は?
これはセントラルリーグが毎年発表している「セ・リーグ本拠地の広さ・本塁打」の履歴から得られる情報をもとにした公式数値なのでまず信憑性は高いでしょう。


セントラルリーグ発表「セ・リーグの本拠地の広さ・本塁打」,The size of Meiji Jingu Stadium,YAKYUJO.com
セントラルリーグ発表「セ・リーグの本拠地の広さ・本塁打」(PDF)
2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年


この資料によると神宮球場の両翼は2008年の拡張工事後の段階では確かに97.5m。
しかしなぜか2010年以降では特に前年のオフから開幕にかけてさらなる
拡張工事を行ったという発表がないにもかかわらず、数値だけが101mへと
変更されていますね。


セントラルリーグなぜこのような発表に至ったかは謎ですが、調べてみると
日本の野球場では本塁から外野フェンスまでの実測数とフェンスの高さを足して
両翼の値とするという悪しき慣習が古くより行われていたという話もあるらしい
ので、この件もそういった経緯ではじき出された数値なのかもしれません
(本塁から外野フェンスまでの実測数97.5m+フェンス高3.5m=101m)。
ただ世間に大々的にリリースした拡張工事後の2008年から101mとするのなら
まだしも、そこから2年後の2010年から何の説明もなく数値を変えてしまうのは
いかがなものかと個人的には思いますね。


少し鼻息が荒くなってきましたので、ここらでこの話はやめておきますか。
結局両翼の公称数値の話題に終始してしまい、肝心の野球場についての考察が
できなかったですね。
これ以上は話も長くなってしまいますので、近いうちに改めて拡張工事が行われた
2008年以前の神宮球場の姿も交えて再度お話をさせていただければ幸いです。


でわでわ。