最後に勝つのは常にズラタン・イブラヒモビッチだ。試合と同じように、練習でもミランで惹きつけるのは彼である。ドバイキャンプ初日の2部練習、午後のトレーニングで、イブラヒモビッチは好調ぶりを見せ、FWロビーニョとのコンビがますます良くなっているところを示した。

離脱したFWアントニオ・カッサーノの代わりに、イブラヒモビッチの“ハート”をとらえたのは、ロビーニョのようだ。もう片方のチームでは、アレシャンドレ・パトとフィリッポ・インザーギが、それぞれチャンスにふさわしいことをマッシミリアーノ・アッレグリ監督にアピールしようとしていた。

この日の練習は11対11のミニゲームで終わり、イブラヒモビッチとロビーニョがいるチームが勝利した。また、少なくとも普段は直接練習に接することができない報道陣にとって好印象だったのは、両選手の背後でトップ下としてプレーした若手のステファン・エル・シャーラウィの成長ぶりだ。

中盤ではジェンナーロ・ガットゥーゾが許可を得てプレー。不運によって数カ月の離脱を余儀なくされ、復帰への意欲にあふれているからか、あるいは本来のガッツにまったく変わりがないからか、誰よりも強く走っているようだった。

パトとアッレグリ監督が一緒に元旦を過ごすことはないだろう。ブラジル人選手たちは家族とともに新年を祝うはずだからだ。メディアは、パトとアッレグリ監督には事態を明確にする必要があるとしている。だが、その機会はないだろう。アッレグリ監督はパトに対して説明しなければいけないことはないと思っているからだ。

ピッチで彼ら2人は話している。この日の午後練習でも、いくつかのプレーに関して、アッレグリ監督はパトを鼓舞していた。だが、それ以外の説明をする必要はないと考えている。今の彼はチームを首位にとどめ、残りのシーズンでほかのチームを上回れるように、フィジカルや戦術の練習に集中しているのだ。パトとアッレグリのことについては、MFアルベルト・アクイラーニが次のように話している。

「パトが僕らと残ることを願っているよ。彼には計り知れないポテンシャルがあると思うからね。アッレグリ監督と緊張関係になんてないと思う。そういう話はすべてのチームであることだ。ここには指揮官とのプロフェッショナルな関係がある。アッレグリ監督は最善の形で仕事しているよ」