担当M(以下M):今年のJ2は大混戦になっています。

ラモス(以下R):これからもっと混戦になりますよ。これまでの中で一番難しいリーグになると思います。原因は本命のチームがないこと。今までは大きくリードするチームや、トップ集団を作る数チームがありました。だけど今年はそんなチームが見当たらない。本当はFC東京が抜けるだろうと思っていたけど、こんなに苦戦するようじゃJ2を引っ張ることはできないでしょう。

M:なぜリードするチームが出ないのでしょうか。

R:各チームのレベルが同じになってきたからだと思います。それは各チームの補強がうまくいったということもあるでしょう。たとえば岡山もいい選手を取りました。徳島もそうです。岐阜や北九州も昨シーズンの反省を生かしています。各クラブの努力でチーム間の差が少なくなってきました。

M:その難しいリーグで最後まで上位にいるとすればどこになるでしょうか。序盤戦で強さを発揮したのは栃木でした。

R:栃木はうまくすれば最後まで相手にとってうるさいチームになると思います。心配なのは今後連敗したときに、どこまで踏ん張れるかです。連敗すると落ち込んではダメだとわかっていても、どうしても自信を失ってしまいがちなんですよ。それを乗り切れば昇格争いに絡み続けるでしょうね。

M:J1経験チームで言えば、千葉が204センチのオーロイ選手を獲得して好調に見えます。
R:対戦相手が分析し切れていないと思います。だけど、もう少しすればきっと対応の方法がわかるでしょう。その時に千葉がどうするか……。まぁそれでも千葉は3位以内に入りそうな気がしますけれどね。

M:あとはどのチームが昇格圏に入ってくるでしょうか。

R:京都ではないかと思っています。序盤戦は調子が良くなかったけれど、大木監督はいい指導者だと思います。クラブはみんなで監督を助けてあげてほしいですね。あともう少し昇格候補を絞りたいのですが難しいなぁ……。

M:ではこういう混戦を制するのに必要な力はなんですか?

R:経験だと思いますね。J2には若くて最後の駆け引きができない選手がたくさんいます。そんなチームメイトを落ち着かせて、相手から勝点を奪うのに試合経験がモノを言うんです。最後に頼れるのはベテランですよ。J2を見ると、ベテランをうまく使っているチームが少ないと思います。それも混戦の原因の一つでしょうね。