韓国のネットに掲載された「福島建設現場作業員」の求人広告が波紋

写真拡大

韓国のアルバイト情報サイトが、福島の建設現場で働く求人広告を掲載したことから、インターネット上で非難が集まり、求人広告が削除されるという出来事があった。

韓国の大手アルバイト情報サイト「アルバモン」は22日、サイト上に『日本の福島地震被害地域住民、仮設住宅工事』というタイトルで、東日本大震災で被災した人たちのために建設が進められている仮設住宅の建設に従事する求人広告を掲載した。

求人広告によると、勤務地は「福島周辺の安全地帯」で、勤務期間は5月初旬から8月末までの短期。募集分野は「建設補助」や「電気技術者」など8種類あり、給与は職種により日給15万ウォン〜25万ウォン(約1万1000円〜1万9000円)、月給400万ウォン〜650万ウォン(約30万円〜49万円)ほどだった。そのほか、注意事項には週6日勤務、宿泊・飲食・交通費は支給などの説明もあった。

だが福島は、震災の影響で原発で事故が発生し、放射能漏れが起きている場所。仮設住宅が建設されている場所は安全な場所ではあるが、韓国のネット上では「安全地帯だといっても、どれだけ(原発から)離れているのか分からない」、「4大保険加入に関する記述が無い」、「将来の健康は大丈夫なのか」といった不安の声が集まった。

また、「日本ではなくなぜ韓国で求人広告が掲載されるんだ?」という疑問の声もあがり、結局、求人広告は削除されることに。現在もこの求人広告に不快感を示す人は多く、韓国メディアも「現代版の徴用」と相次ぎ報じていることから、騒動はまだ収まっていない。


参照:「現代版徴用」福島650万ウォンアルバイト論争 - 東亜日報
参照:「現代版徴用」ネチズン怒った - ソウル新聞


(文:林由美)

■【韓フルタイム】とは……
【韓フルタイム】とは韓国に特化した情報を提供する媒体です。
韓国に詳しい専門の日本人記者が取材、執筆を行っております。
韓国中心の出来事をいち早くお届けできるように頑張っていきます。