2010年のバロンドール(年間最優秀選手賞)が10日、アルゼンチン代表のリオネル・メッシ(バルセロナ)に贈られた。

 ここ最近、W杯開催年のバロンドールの受賞者は、2006年カンナヴァーロ(イタリア)、2002年ロナウド(ブラジル)、1998年ジダン(フランス)など、W杯優勝国から選出されるのが通例だった。しかし今回、スペイン代表のシャビ、イニエスタは選ばれず、16年ぶりにこの通例が破られた。

 また、オランダ代表でW杯準優勝、インテルを国内2冠と欧州王者に導いたウェスレイ・スナイデルは、上位3人にすら入れず、同情の声を集めた。スナイデルが受賞を逃した背景には、今年からバロンドールがFIFA最優秀選手賞と統合され「FIFAバロンドール」に生まれ変わったことがある。

 レキップ紙によると、従来のフランス・フットボール(FF)誌主催のバロンドールなら、受賞者はスナイデルだった。これまでのバロンドールは、FF誌編集部が選んだ候補者の中から、世界のサッカー記者およそ100人の投票によって決められた。それが今回から、FIFA最優秀選手賞の選出方法を合わせ、加盟208ヶ国代表チームの監督と主将による投票が加わる。

 スナイデルは、ジャーナリスト票だけで見れば、得票率7.70%でトップ。2位のイニエスタ(7.53%)を上回り、3位のシャビ(5.96%)を大きく引き離していた。メッシはわずか4.38%で4位だった。しかしこれに各国代表の票が加わると、監督から9.72%、主将から8.55%の票を集めたメッシが合計22.65%でトップに立った。

 2大個人タイトルの統合がなかったなら、メッシはFIFA最優秀選手賞の受賞にとどまり、バロンドールはスナイデルの手に渡っていたことになる。