内部告発サイト「ウィキリークス」が公表した公電によると、反捕鯨団体シー・シェパード(SS)の妨害活動をめぐり、日本の農林水産省幹部と米国が、対策強化を協議していたことが2日、明らかになった。

 公電は2009年11月から10年1月の間に作成された3件で、いずれも捕鯨についてのやりとりを記している。09年11月の公電は、農水省幹部と国際捕鯨委員会(IWC)のモニカ・メディナ米政府代表との協議内容で、日本側がSSの抗議活動はIWCでの捕鯨交渉を困難にしていると訴えたことや、メディナ氏が米国がSSを非課税団体にしない可能性を示唆したことが記載されている。

 これに対し、SSのポール・ワトソン代表はウェブサイト上で、反論している。日本の調査捕鯨団体は、IWCへの贈収賄や票の買収などの不正に関与している。同団体は捕鯨を「調査」と主張するために、商業捕鯨モラトリアム留保に関して違反し、偽りの主張を支持するのに必要な票を確保するために贈収賄を用いたと述べている。

 また、メディナ氏は米国税庁または米国務省に許可を得ておらず、課税問題に関して話す権限はない。SSの活動が危険か否かについても証明されず、日本や他国からSSに対する告訴は起こされなかったとコメントしている。

 ワトソン代表は、SSが国際的に支持されていることにも言及しており、SSの船は、豪州およびニュージーランド港を必需品の供給と燃料補給のため利用できるが、日本の調査捕鯨船は両港の利用を許可されていないことなどを指摘している。(編集担当:田島波留・山口幸治)



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