中国網日本語版(チャイナネット)は「人口が多いことに不満を言わない日本人」とする記事を掲載した。以下は同記事より。

 人口は世界全体の2%弱、面積と自然資源は0.25%という乏しい条件で、世界の富の17%を生み出している国、日本。日本の裕福さやその発展レベルは以前から耳にしていたが、今回日本を訪問して、それが想像以上であることに気づいた。

 東京の地下鉄は四方八方に通じている。新宿などの大きな駅の周辺は、道路が縦横に走り、無数の店舗が連なっていて、非常に便利である。東京では、毎朝372万もの人が電車を利用して通勤しており、各駅において1分を超える遅れは許されないという。日本人の誇りである新幹線は時速300キロに達し、開業以来40年以上、乗客の死傷事故を起こしていない。また、平均遅延時間はわずか18秒である。

 日本の道路は決して広くはないが、渋滞は少ない。たとえ渋滞があっても、すぐに解消される。これは規範化された交通管理のおかげで、車や歩行者はそれぞれ決められた道を通行している。日本人の自ら進んで規則を守る意識は行列にも現れている。電車やバスに乗るとき、買い物、食事、エレベーター、トイレ……、人々は積極的に列を作っている。日本の総人口は1億2700万人、人口密度は中国の2.5倍である。それにもかかわらず、日本に滞在した23日間、自分の国は人口が多すぎるという不満を一度も聞かなかった。

 日本での買い物は、だまされるのではないかと心配する必要はない。ほとんどの店は、値礼を表示していて、値段交渉をすることはない。新宿のある店で買い物をしたとき、値引きサービスを忘れたことに気づいた店員は、すぐに私たちを追いかけて来て、お金を返してくれた。

 日本は世界的に名高い節約型国家として、国土面積の3分の2が森林に覆われていながら、材木の伐採を制限している。日本人が使っている割り箸はすべて輸入品である。また、紙類の原料の大部分は再生材料を採用している。

 日本は教育のレベルも非常に高く、国民の基本的な素質を高めることに力を入れている。9年間の義務教育段階の入学率は100%、高校進学率は96%、大学進学率は50%である。1980年代、日本は生涯教育を打ち出し、90年には「生涯学習振興法」を制定した。そのねらいは、学習型社会の建設にある。日本の教師は地位が高く、公立学校の教師も公務員であり、その給料は政府の一般の行政関係職員よりも高い。

 日本は社会の公平性を重視しており、両極分化を防いでいる。しかもこれは発展してから実現されたものではない。関係機関の調査によると、自分の生活レベルはほかの人と比べて中程度だと考えている日本人の割合は、58年は72%、79年は91%、89年は87%。多くの日本人は、自分は同質社会にあると考えている。また、米国、ドイツ、フランスなどと比べると、犯罪率は日本がもっとも低い。

 日本人は恥辱感が非常に強い。日本人の多くは、軍国主義の侵略の歴史については次第に忘れてしまっているが、自分たちの敗戦の歴史についてはいまだ記憶に新しい。江戸東京博物館には、当時の東京の被爆の様子を示す写真やビデオだけでなく、当時の場景を再現した模型もある。日本人はこれらを使って悲惨な過去を忘れないよう後代の人を教育しているのである。日本人と話をすると、彼らはいつも米軍の爆撃を受けたときの様子をとうとうと語るのだ。(編集担当:米原裕子)



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