年末が近づくと一年を振り返る企画が目白押しですね。中でも流行語は、その年の世相を反映するとして多くの注目を集めてます。2007年の大賞は、「(宮崎を)どげんかせんといかん」と「ハニカミ王子」でした。

「ハニカミ王子」はともかくとして、「どげんかせんといかん」は大賞に決まってから初めてしった人もいるようです。多くの人に使われた数だけなら、トップ10入りした「そんなの関係ねぇ」の方が遙かに多いともいえわれています。なにしろ、多くの子供たちが毎日連呼していましたから。

流行語大賞って、言葉の知名度や使用された回数とは別のものなのでしょうか?

今回は"流行語大賞"について調べてみましょう。

■そもそも流行語大賞って何なの?
正式には現代用語の基礎知識選“ユーキャン新語・流行語大賞”といえいます。
その年1年間に発生した「ことば」の中から、世相を軽妙に映し、多くの人々の話題に上った新語・流行語を選び、その「ことば」にかかわった人物、団体を顕彰する賞となっています。

流行語大賞は、1984年に自由国民社によって創始され、毎年12月1日(土曜日・日曜日の場合は次の平日)に発表されます。自由国民社は、「現代用語の基礎知識」を発行している出版社。

当初は、新語部門と流行語部門に分かれており、それぞれ金賞を筆頭として各賞が選ばれていましたが、第8回の1991年からは年間大賞が設けられ、11回目の1994年から両部門を合わせて選定されるようになりました。
20回目となる2003年からは株式会社日本通信教育連盟と提携し、現代用語の基礎知識選『生涯学習のユーキャン 新語・流行語大賞』と名称を改められます。更に2004年より現代用語の基礎知識選『ユーキャン新語・流行語大賞』に改称されました。

選考結果は、主要新聞でも報じられ、現代の世相を反映する一つの指標としても使われています。

■そもそも選考基準は、どうなってるのでしょうか?
候補となる流行語は、読者アンケートによりノミネートされ、新語・流行語大賞選考委員会(藤本義一審査委員長)によってトップ10と年間大賞が選定されます。 ノミネート後の選考についての基準は明らかにはされていないようです。

2007年にノミネートされた「どんだけー」、「おっぱっぴー」については、下品だという理由から大賞候補からは外されたようです。では、下品かどうかの基準とはどのようなものか
気になるところですが、自由国民社や選考委員会の関係者に依存されているとすれば、国民意識の反映とは必ずしもいえないのかもしれません。

ちなみに、お笑い芸人については新語・流行語大賞に選出されると翌年に人気が急落するというジンクスがあるそうで、小島よしおは、むしろ大賞にならなくてよかったという意見も業界ではささやかれているとか。

■歴代の大賞を見てみましょう
歴代の大賞をみてみますと、できるだけまじめな言葉が受賞しているようにもみえます。

・2001年 小泉語録
・2002年 タマちゃん、W杯
・2003年 毒まんじゅう、なんでだろ〜、マニフェスト
・2004年 チョー気持ちいい
・2005年 小泉劇場、想定内(外)
・2006年 イナバウアー、品格
・2007年 どげんかせんといかん、ハニカミ王子

大賞に選定された「流行語」の中には、新語・流行語大賞で取り上げられて初めて世間に認知されたといったケースもあります。実際に世間で使われたり、流行した言葉でなければ「広く大衆の目・口・耳をにぎわせた」とはいえないことから、選考結果が世間一般での流行とかけ離れていると指摘されることもあるわけです。

■新たな試みも
2005年には「現代用語の基礎知識」にインターネット発の新語・流行語を提供した「はてなキーワード」を運営する「はてな」がIT系ニュースサイト「ITmedia News」とともに「はてな2005ネット流行語大賞」を開催しました。新語・流行語大賞の候補語とITmedia Newsが選出したインターネットで流行した候補語も加え、はてなダイアリーユーザーが大賞を選出するという新たな試みが行われましたが、インターネット投票は、大量投票や組織票があったためでしょうか、翌年以降は継続されていません。

真に人々に使用され、流行して影響を与えた言葉を選出することは、インターネットやハイテクが進んだ現代でも、難しいことのなのかもしれませんね。

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