宮里藍=米ツアー2年目。2007年シーズンは、いよいよ明日開幕。

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 米女子ツアー開幕戦、SBSオープンが明日、開幕する。昨日は18ホールの練習ラウンド、今日はプロアマ戦をこなした宮里藍は、ずっと余裕の表情を見せている。しかし、この余裕は単に「米ツアー参戦2年目だから」というだけではない。

 余裕が得られるかどうかは、ルーキーイヤーの経験や失敗を2年目の今年に生かそうとしているかどうかにかかっているわけで、宮里の場合、受験勉強で言うところの「傾向と対策」がしっかりできている。いや、しっかりやったという実感を得ている。だからこそ彼女は「今年こそ初優勝」という多大なるプレッシャーの下でも笑顔でいられるのだろう。

 「去年はバンカーのセーブ率が悪かった」と、バンカーショットを課題に掲げた宮里。確かに、彼女の昨年のサンドセーブ率は31.7%で125位と悪かった。他のランキングはすべて二桁台なのに、サンドセーブ率だけは三桁。この数字は現実だ。現実を認め、弱点克服のための練習をできるかどうか。層が厚く、競争が激しい米ツアーで生き残るためには、そういったきめ細かなアクションがモノを言う。

 宮里はオフの間、小技の練習に多めに時間を割き、バンカーショットの練習にも重点を置いた。「30〜40ヤードの距離のあるバンカーショットの練習をやりたかったけど、あんまり練習できなくて……でも砂に対する感触をつかんでおきたかった」。予定通りに行かなかった面もあるようだが、それでも必要性を感じたことを実際に「やった」か「やらなかったか」。その違いは大きい。

 バンカー練習を含めた小技を磨き、スウィング調整も行ない、筋トレで体力作りにも精を出した宮里。きっちり備えたという実感が自信と余裕につながっている。どうやら宮里は心地よいキックオフを迎えられそうだ。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)