ニッポン放送株のインサイダー取引事件で、証券取引法違反(インサイダー取引)の罪に問われた「村上ファンド」前代表、村上世彰被告らの第8回公判が30日、東京地裁(高麗邦彦裁判長)で開かれた。

 証人出廷したライブドア(LD)元取締役(ライブドア・マーケティング元社長)の岡本文人被告=同罪で公判中=は村上被告の直接尋問に対し、2005年2月初めの取締役会で、ニッポン放送株5%以上の取得を決めた様子を証言。「『本当にニッポン放送の経営権は取れるのか』『村上さんは大丈夫なのか』と質問したが、堀江さんが『絶対に大丈夫』と言うので賛成した」などと述べた。

 LDはこの後、同年2月8日にニッポン放送株を約35%まで取得。LDに同放送経営権の取得を持ちかけた村上ファンドは、株価が上がったことで大量に保有株を売り抜け、LDは単独での過半数取得を余儀なくされた。

 検察側は、村上ファンドは04年11月8日にLDから大量買い集めのインサイダー情報を得たとしている。今回の村上被告の直接尋問は、LDの機関決定はあくまで05年2月であることを確認し、検察側の構図を否定することがねらいとみられる。【了】

■関連記事
ニッポン放買収 "熱意感じず"
LD子会社元幹部に直接尋問
元LDF中村被告に反対尋問