全豪オープン優勝を果たした大坂なおみ【写真:Getty Images】

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ゲーム、アニメ、SNS…新女王の現代的嗜好を米老舗誌が特集「Z世代の王者」

 テニスの4大大会・全豪オープンは26日、女子シングルス決勝で世界ランク4位・大坂なおみ(日清食品)が同6位ペトラ・クビトバ(チェコ)を7-6、5-7、6-4で破り、日本人初優勝。全米オープンに続く連覇を達成し、男女を通じてアジア人で初となる世界ランク1位になることが確定した。かつて人気アニメ「ポケモン」のテーマソングを会見で引用して話題を呼ぶなど、天真爛漫なナオミ節をトレードマークとする新女王に、米メディアは「ジェネレーションZの王者」と注目している。

 世界中のメディアが大坂のNO1奪取を報じる中、米スポーツ界で最も権威を持つ雑誌「スポーツ・イラストレイテッド」も「ナオミ・オオサカ、次なるテニス界の女王が全豪オープン優勝でスーパースターの座を確実なものとする」という見出しで特集。記事では「ナオミ・オオサカはジェネレーションZのチャンピオンだ」と評した。

 米国では60年代から70年代生まれの世代を「ジェネレーションX」と呼び、「ジェネレーションY」「ミレニアル世代」に続き、90年代後半から2000年代に生まれた世代は「ジェネレーションZ」と定義されている。幼少時からインターネット、コンピューターに慣れ親しんだ新世代の象徴として「Naomi Osaka」が君臨するというのだ。

「彼女は昨年インディアンウェルズで初タイトルを手にした後、彼女は自分自身をケーブマン・スポンジ・ボブを引き合いに出した。その後、数か月間オーバーウォッチについての(SNSの)投稿を行った」

 特集では、世界的な人気を誇るアニメキャラや人気対戦型ゲームへの愛情を隠さない大坂の素顔を紹介した上で、かつて記者会見でポケモンのテーマソングからコメントを引用した天然エピソードにも再びスポットライトを当てている。

セリーナとの比較は必要なし「オオサカは我が道を行く

「社会科学者たちはミレニアル世代とジェネレーションZを区別する正確な年度を探し続けているが、テニスファンにしてみれば、それはナオミ・オオサカの誕生日かもしれない。次なる世界的なスーパースターが到来したのだ」

 特集では、大坂こそがアメリカにおける現代っ子とも呼べる「ジェネレーションZ」の申し子と分析。「もし、ジェネレーションZが本当の意味でインスタグラムのインフルエンサーやパーソナル・ブランドの時代だとすれば、オオサカは選ばれし存在だ」とし、率直な振る舞い、楽天的な人間性などコート外の魅力についても評価している。

 女子テニス界では、グランドスラム優勝23度を誇る女王セリーナ・ウィリアムズ(米国)の後継者について注目が集まっていた。大坂にとっても憧れの存在で、昨年9月の全米オープン決勝は直接対決で破り、優勝を果たしていたが「ベイビー・セリーナ」と呼ばれたのは、もはや過去の話だという。特集では、このように言及されている。

「2人を比較する必要はないだろう。オオサカは我が道を行く。異なった若々しいスポットライトを浴びることになる。彼女は今夜の勝利で新たなパラダイムに突入したのだ」

 コートを離れればアニメやゲームを楽しむ大坂。天真爛漫の現代っ子の新女王は、幼少時から育った米国からも愛される存在となっている。(THE ANSWER編集部)