東京都中央区にある日本橋の上を走る首都高速道路を地下に移して、日本橋の景観を取り戻そうという動きがあることはご存じだろう。「あ、テレビCMで観たことが......」という人もいるかもしれない。

2018年5月22日、国土交通省と東京都、首都高速道路などでつくる検討会で、都心環状線を江戸橋ジャンクション(JCT)付近から地下化し、日本橋の直下を通過して既存の八重洲線トンネルに接続するという案が決定し、各報道機関で報じられた。

いったいどんな案なのか?

「何千億円も使う必要性は?」VS「日本橋の空は見たい」


東京・日本橋(Aimaimyiさん撮影、Wikimedia Commonsより)

決定したルート案は、江戸橋JCTと神田橋JCTに架かる高架を撤去、新たにトンネルを約700メートル掘り、八重洲線の地下部分約500メートルとつなげるというもの。

地下には上下水道、電力、通信、ガスなどのインフラ施設が張り巡らされ、半蔵門線、銀座線、浅草線といった地下鉄も走る。障害物を避けながら川沿いを掘り進める、大変な難工事になることは必至だ。事業費は数千億円、期間は10-20年以上、2020年夏季東京五輪後の着工を見込むとされている。

ツイッターを見てみると、

「日本橋の首都高なんてあれでもう景色になってるんだし、地下化する必要あるのかねぇ...」
「景観のためだけにほかの道路整備を差し置いて、何千億円も使う必要性はどうなんでしょ?」
「個人的には日本橋の上に首都高が走ってる今の景色が愛おしいし......」

などと、地下化に否定的な意見が多い。

膨大な事業費に疑問を投げかけ、

「その数千億円の出どころって?」
「3000億円の負担を誰に求めるのか?」
「いつまでこんなもんに金を使い続けるんだろうか」

といったコメントも多い。

「完成するまで、生きていられるかな?」
「完成したときまだ人間の運転する車は走っているだろうか」
「完成時期は早くても2040年以降とか...果てしない」

などと、工期の長期化を不安視する人も......。

一方、こんな声もあった。

「首都高地下化、実現して欲しい」
「日本橋の空は見たい」
「日本橋のすぐ上を通る首都高は景観上においてかなり邪魔だし......」

といった、地下化に肯定的なコメントだ。

賛否両論いろいろある中で、ルート案が決まった。都市計画法に基づく手続きを経た後、正式決定となる。