『グレイズ・アナトミー』シーズン13&『コード・ブラック 生と死の間で』シーズン1

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海外ドラマの定番ジャンルとも言うべき医療ドラマ。日米で根強い人気を誇るロングランヒット『グレイズ・アナトミー』(以下『グレアナ』)のシーズン13と、全米でスマッシュヒットを記録した最新作『コード・ブラック 生と死の間で』シーズン1のDVDがこの春発売となる。そこで、医療ドラマの長い歴史を紐解きながら、両作品の人気の秘密に迫ってみよう。

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医療ドラマの先駆けとなったのは、1961年に全米で放映されたテレビシリーズ『ベン・ケーシー』と『ドクター・キルデア』だと言われている。どちらも大都会の総合病院を舞台に、正義感の強い有能なドクターが活躍する作品で、この2本の大ヒットによって医療ドラマは一躍人気ジャンルとなった。この頃の医療ドラマにおけるドクターは、医師としても人間としても優れたヒーローで、患者の病気だけでなく、悩み事や様々なトラブルまで解決していくというのが定番のストーリー展開。

そうした医療ドラマの在り方をガラリと変えたのが、1982年から全米放映開始された『セント・エルスウェア』。貧困地区の総合病院を舞台にしたこの作品は、大勢のドクターやナースを主人公にした群像劇。それぞれに長所も短所もある極めて人間くさい彼らが、悩み苦しみながら患者と向き合っていくというストーリーが斬新で、デンゼル・ワシントン(『トレーニング デイ』)やマーク・ハーモン(『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』)などの大物スターを輩出した。

『セント・エルスウェア』が打ち出した群像劇型医療ドラマ路線を、さらに発展させたのが、緊急救命室の一刻一秒を争う緊迫した日常を徹底したリアリズムで描いた『ER 緊急救命室』。また、患者嫌いの天才医師という異色のキャラが話題を呼んだ『Dr.HOUSE ―ドクター・ハウス―』の大ヒットにより、型破りなカリスマ・ドクターを主人公にした作品も人気を集め、多種多彩な医療ドラマが誕生するようになる。

そんな医療ドラマ黄金時代に颯爽と登場したのが2006年から放送開始された『グレアナ』。シアトルの総合病院で働くインターンやドクターの日常を描く本作は、『セント・エルスウェア』を原点とする群像劇型医療ドラマの系譜に属する作品だが、若き主人公たちの複雑な恋愛や友情、苦悩と成長に焦点を当てた青春ドラマとしての魅力も兼ね備えている点が画期的。しかも、病院が犯罪者や自然災害に襲われたり、主人公たちが旅客機事故に巻き込まれたりと、目が離せないくらい波乱万丈な展開が次々と繰り広げられる。医療ドラマという枠にとらわれ過ぎないストーリーが魅力で、それまで医療ドラマを敬遠していたファン層まで獲得し、全米で社会現象を巻き起こした。

一方、ロサンゼルスの名門大病院の緊急救命室を舞台にした『コード・ブラック』。タイトルになっている"コード・ブラック"とは、患者数がERの許容量を超えた状態のことを意味するのだが、そんなまさに戦場とも呼ぶべき緊急救命室の過酷な日常を圧倒的なスピード感で描いていく作品で、現場をリードするのはパワフルなカリスマ女医リアン。夫と子供を交通事故で失った悲しい過去を抱えつつ、かけがえのない命を救うため患者たちに全身全霊で向き合い、未熟なインターンたちを厳しく叱咤激励して一人前のドクターに育てようとする。そんな彼女の常識に囚われない治療方針、揺るぎない信念と情熱に周囲も感化され、緊急救命室のスタッフたちが一丸となって困難に立ち向かっていく姿が感動を呼ぶ物語。『ER』のリアリズムと『Dr.HOUSE』の型破りさを兼ね備えつつ、普遍的なヒューマニズムを全面に押し出した作品だと言えよう。

アメリカでは現在シーズン14が放送中の『グレアナ』、これからシーズン3の全米放送が始まる『コード・ブラック』。どちらも、医療ドラマの歴史に名を刻む名作として、海外ドラマ・ファンにはぜひおススメしたい作品だ。『グレイズ・アナトミー』シーズン13は、4月20日(金)より第2弾レンタル開始&コレクターズBOX Part2発売、『コード・ブラック 生と死の間で』シーズン1は5月9日(水)より第1弾DVDリリース、全話一挙デジタル配信開始。(海外ドラマNAVI)

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