ポルシェとアウディがEVプラットフォーム共同開発へ。互いの特色維持しつつ車台共有でコストダウン見込む

ポルシェアウディが、電気自動車(EV)のプラットフォーム共有化することを明らかにしています。ポルシェのオリバー・ブルームとアウディのルパート・シュタドラー両CEOは、独シュツットガルトの地方紙Stuttgarter Zeitungのインタビューに対し、ともにEV用のプラットフォームを開発し、2021年以降にはアウディが少なくとも2車種、ポルシェが2車種を投入すると語りました。

両者は、ル・マン24時間耐久レースではほんの2年前まで、互いにライバルとして勝利を分け合ってきた間柄ではあるものの、同じVWグループに属する自動車メーカーとして、市販車のプラットフォームを共有してきた実績があります。例を挙げれば、ポルシェ・カイエンとマカンがそれぞれ、アウディQ7とQ5と同じプラットフォームを使用しています。

しかし、今回の話は今後発売するEVにおけるプラットフォームの共有を意味するということで、いったいどういった車種が出てくるのかが興味を引くところ。アウディにはすでにセダンとSUVでそれぞれ2車種ずつEVの計画があります。一方のポルシェはマカンを生産する工場でSUVの新モデルをEVとして生産する模様です。

ポルシェのオリバー・ブルーメCEOによると、EVプラットフォームを独自に開発する場合、全体のコストが30%増加するとのこと。30%といえども決して少額ではありません。アウディのシュタドラーCEOは2025年までにプラットフォームを開発するとして「数十億ユーロ(10億ユーロは約1335億円)」が必要になると見積もりました。したがって、この部分を共有化することは大幅なコストダウンにつながるということです。

なお、この共有プラットフォームはポルシェが現在開発しているEVスポーツカー「Mission E」には適用されません。また、ポルシェアウディ両者が今後、独自のプラットフォームを使うEVを新規開発しないというわけでもありません。ただ、EV市場の拡大とともに、消費者が期待するものに柔軟に応えるためのプラットフォーム共有やコストダウンは有効です。消費者が求めるのが、プラットフォームではなく車としてのデザインや走行性能、走りの味付けであることはまちがいありません。