資料写真=イスラエル・エルサレムにあるホロコースト博物館の展示物

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(台北 20日 中央社)ドイツ政府にライヒスマルク建て債券の払い戻しを求める台湾の民間団体が18日、ドイツ在台協会(大使館に相当)が入居する台北101ビル前でナチスの旗を掲げて抗議活動を行ったのを受け、同協会と駐台北イスラエル経済文化弁事所(同)は翌19日、連名でニュースリリースを発表し、「ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)被害者の記憶をあざ笑う受け入れ難い行為。言論の自由の乱用だ」と強く非難した。

同団体は、日本政府が第1次世界大戦後、敗戦国・ドイツから得たライヒスマルク建ての債券を、当時統治下にあった台湾の人々に転売したと主張。2004年の調査によると、約3000人が計100万枚を保有している。抗議活動に参加した約50人のメンバーは680億台湾元(約2560億円)の賠償を求めた。

かつて同団体と接触を持ったというドイツ在台協会の職員は、中央社の記者に対し、メンバーが所有しているのは1920年代初頭に発行されたライヒスマルクの紙幣で、すでに貨幣価値を失っていると説明。公債であればドイツ銀行など関係機関に申し出て法的措置を取るべきとの考えを示している。

台湾では2016年にも高校生が校内のイベントでナチスドイツの軍服を模した衣服を着用し、イスラエルから非難を受けるなど、波紋を呼んでいた。

(侯姿瑩/編集:塚越西穂)