DeNAの井納翔一

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◆ 2年連続Aクラスも、自身は2年連続2ケタ敗戦

 ラミレス監督就任後、2シーズン連続で3位に食い込んでいるDeNA。昨季は19年ぶりに日本シリーズ進出を果たし、今季は1998年以来となるリーグ制覇への期待も膨らむ。

 投打ともに若手が成長し、近年はドラフト上位で獲得した投手たちの即戦力ぶりが際立つ。昨年のドラフトでも、多くの球団が清宮幸太郎(早実高→日本ハム)を1位指名するなか、DeNAは左腕の東克樹(立命大)を一本釣り。年明けの新人合同自主トレを視察した指揮官は、「ローテーションに入れる能力、10勝できるポテンシャルを持っている」と東を再評価し、石田健大、今永昇太、浜口遥大とともに、左腕カルテット形成に期待が膨らむ。

 一方で、近年ピリッとしないのが右腕の井納翔一だ。チームが2年連続Aクラス入りの中、自身の成績は16年が7勝11敗、防御率3.50。17年は6勝10敗、防御率3.84と2年連続の2ケタ敗戦。昨季は巨人の菅野智之ら、エース級とのマッチアップが多かったのも白星減少の原因ではあるが、4点台近い防御率が示す通り、ツメの甘さが目立ったのも事実だ。

 CS、日本シリーズとポストシーズンでも3試合に先発したが、ここでも1勝2敗と黒星先行。阪神とのCSファーストステージ第1戦では6回に決勝2ランを浴び、ラジオ解説を務めた江本孟紀氏は、「大事なところでボールがシュート回転する。外角低めにきちっと投げられれば、そうは打たれない。いつものパターンですよね」と、右腕の悪癖を指摘した。

 2年連続で150イニング以上を投げているのは立派だが、昨季はシーズン24度の先発で、クオリティスタート(QS=6回以上、自責点3以内)達成は13度。QS達成率は規定投球回到達者の中ではワーストだった。

 今季は投球内容の質を高め、本人も公言しているように白星と黒星の数を逆転させたいところ。井納が4シーズンぶりの2ケタ勝利を挙げることができれば、チームも自ずとリーグ制覇を狙える位置にいるはずだ。