ラファエル・ナダル【写真:Getty Images】

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全米OP8強進出も抱える苦悩、試合後に明かした胸中「完璧ではないのが実情だ」

 テニスの全米オープンは4日(日本時間5日)、男子シングルス4回戦で世界ランク1位のラファエル・ナダルが同64位のアレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)を6-2、6-4、6-1のストレートで下し、8強進出。ナダルらしい超速プレーが大会公式ツイッターに動画付きで紹介されるなど圧巻の戦いぶりを演じているが、プレー中に「過剰なストレス」を抱えているという。英紙「メトロ」が報じた。

 ナダルは第1セットで巧みなロブショットに驚異のスピードを繰り出して追いつき、ポイントを奪取。大会公式に紹介され、ファンから「この男は31歳なのか?」と驚嘆を呼ぶなど、完勝劇を演じていた。しかし、100%順調ではないようだ。記事によると、ナダルはストレスを抱えて苦悩しているという。

 試合後、「言いたいことがある」と切り出した世界1位は、こう語った。

「僕は先週、自分でも驚くほど良い状態で練習できていた。トーナメントが始まる1週間前だ。練習中、本当に、とても物凄く高いレベルで練習ができていたんだ」

 しかし、最近はウィンブルドンは4回戦、ロジャーズ・カップは3回戦で敗退。試合はともに「タフだった」と振り返り、その影響で準々決勝敗退したW&Sオープンは本来のプレーができなかったという。

王者が感じるジレンマ、「タフな接戦での敗北の積み重ねがストレスの負荷」に…

「そのタフな接戦での敗北の積み重ねは、試合中の自分に少しずつストレスの負荷をかけている。理由はそれだけだよ。テニスのレベルの面においては、僕はそこまで悪くなかった。そうだろう? だが、完璧ではないのが実情だ。毎試合、その少しのズレが生じている」

 大会前の練習では好調を維持していたが、直近の大会では接戦の末に敗れていたことが、試合になると重圧になってのしかかるようだ。それでも、記事ではジレンマを振り払い、前向きに戦おうとする面ものぞかせている。

「今日は本当にポジティブな試合だった。これを他の試合でもできることなんだ、と自分に言い聞かせている。戦い続け、今日の自分に打ち勝つことが目標なんだ。明日も最高の練習をして、試合に備えるよ」

 最後はこう語ったというナダル。準々決勝では19歳の新鋭アンドレイ・ルブレフ(ロシア)を迎え撃ち、勝てばロジャー・フェデラー(スイス)との黄金カードが準決勝で対戦する可能性もある。

 果たして、のしかかるストレスを振り払い、ナダルは夢の対決を実現できるだろうか。