かねてから"多様の美"を訴えているプラスサイズモデルでボディアクティビストのアシュリー・グラハム。ファッションウィークで<マイケルコース>のランウェイを歩いたり、本を出版するなど、プロのモデルとして多様性を広める活動を行っている。そんな彼女が雑誌『Glamour』の企画で4名の女性と下着の撮影に挑み、とあるメッセージを伝えた。

参加した女性は手術後の大きな跡がある女性、拒食症患者、また体型にあまり自信がない2名の計4名。アシュリーはそれぞれの女性に自信をつけるためのアドバイスをしながら、下着姿での撮影に挑んだ。まずはアシュリーが自身の嫌いなパーツを告白。そして、どのように自信をつけるのか話した。

「私はお尻のサイドが嫌いなの。嫌いなパーツへ手を置くと気持ちが自信のないパーツに集中してしまい、結果自信のない表情をしてしまうのよ。だから必ず大好きなパーツを触るの。私は胸とウエストのカーブが好きだから、こうやって触れながら撮影することで自分の良いパーツに集中出来るのよ」
アシュリー・グラハム

そして、皮膚病や手術跡が気になって露出をしないというケイトリンさんは「普段は隠しているけれど、アシュリーを見てると自信が湧いてくる」といい、楽しそうにウォーキングを披露。

アシュリー・グラハム

そして、出来上がった写真を見ながら涙ながらに気持ちを吐露した。

「写真を見ると、『正真正銘これが私のカラダなんだから、もっと好きになるべき』だと思った。今までこんな風に感じたことはなかったわ。これまでは太すぎると思っていたし、傷や皮膚病もあるから…」
アシュリーに「でも今のあなたを見て。ロールモデルになったわよ。自信を持ってね」と労いを受け、目に輝きを見せたケイトリンさん。

次に、10年以上戦っている拒食症から回復しつつある女性アリッサさんは、アシュリーがお尻のサイドを露出したことで勇気をもらい、バスローブを脱ぐことに。

アシュリー・グラハム

アシュリーに「最高じゃない!」と褒められるけど、本人は「どんな風に写っているのか知りたくないわ」と自信はなさげ。しかし、出来上がった写真に写っていたのは自信にあふれる女性。それに対して「普段は自分の写真は嫌いなんだけど、アシュリーのおかげで楽しかった」と告白。さらに「今日は普段私の中の悪魔の声と、実際の私は全然違うということを思い出させてくれた」と語った。

すると、アシュリーは涙を流しながら「自分に自信がない女性が、あなたの今日の行動に勇気をもらうことを考えると涙が出てくるわ。ありがとう」

他の2名の女性も「私のような体型の女性の下着姿を広告で見ることは滅多にないわね。見る機会があればもっと自信を持てるのに。今日は他人の考えなんてどうでもいいと思えた。自分がいい気分になれればいいじゃない」と大満足。
アシュリー・グラハム

最後にアシュリーは美の多様性を訴え続ける重要性を語った。

「このような運動はただのトレンドだという人もいるけど、違うの。社会やメディアが避けている話題や、ブサイクだと言われていることを話題にし続けることで、社会変革をもたらすことができるのよ」

さらに「自分の体型に何も問題がないと思っていた頃に、『ここは修正する』と言われたことに傷ついた」とも明かした。「女性のそのような気持ちは話題にせず、修正された後の"完璧な女性"にスポットライトを与えることこそが問題なの」。

他人に認めてもらうだけで、随分と気持ちが変わると語ったアシュリーや参加者たち。多種多様な体型を受け入れ、美しいと肯定することがどれだけ女性の心に勇気を与えるのかを証明した企画となった。