マーリンズ・イチロー【写真:Getty Images】

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シーズン序盤の不振から“V字回復”、地元メディア「43歳の打棒が復活」

 マーリンズイチロー外野手は17日(日本時間18日)、敵地ブレーブス戦の5回1死一塁の場面で代打で登場。ライト前に同点タイムリーを放ち、6試合連続安打を記録した。地元メディアは、代打として最近11打数7安打で驚異の打率.636としたイチローについて「43歳の打棒が復活!」と絶賛。イチローの代打安打数は、今季メジャー単独トップとなっている。

 シーズン序盤の不振からイチローが華麗な“V字回復”を見せている。1点差に迫って迎えた5回1死一塁。代打として、今季オープンしたブレーブスの本拠地サントラスト・パークで初めて打席に入った背番号51を、マイアミでテレビ中継を行う「FOXスポーツ・フロリダ」の実況は期待とともに紹介した。

「5試合連続でヒット中です。代打ではここ9打席で6安打。2打点も記録しています」

 実際には最近10打席で6安打だったが、解説のトッド・ホランズワース元外野手も「9打数6安打はすさまじい優秀さです」と好調ぶりに唸る中、左腕ガルシアのボークと捕手フラワーズのボークで一塁走者のコロンが三塁まで進む。すると、イチローは4球目の89マイル(約143キロ)の低めのツーシームを強振した。

代打での11安打は今季メジャートップ「際立った仕事ぶり」

 実況が「43歳の打棒が復活しました!」と興奮気味にまくし立てる貴重な同点打。ホランズワース氏も「これで代打10打席で7安打3打点(実際には11打席で7安打3打点)です。際立った仕事ぶりです。なぜなら、ガルシアは直前の打者2人に打たれていた変化球をこれ以上、信頼できませんでした。沈むツーシームでしたが、すごく打ちごろでした。そして、イチローはいいスイングを見せました。ライト前に運びましたね」と、速球を捉えたイチローの打撃を称賛。この回、ガルシアはムーアにカーブをレフトスタンドに運ばれて2ランとされ、イチローの直前の打者となったコロンにはスライダーをレフト前ヒットとされていた。

 実況は「イチはこれでナショナルリーグの代打最多安打になりました。ドニー・ベースボール(マッティングリー監督の愛称)の顔にも笑顔です」とも言及。イチローの今季の代打での安打は11本となり、カブスのジョン・ジェイ外野手の10本を再び上回ってメジャー単独トップとなった。

 今季はスタントン、オズナ、イエリッチの外野トリオが怪我なく好調のために出番が限られ、打率1割台が続く不振だったイチローも、6月は16打数7安打の打率.438でシーズン打率.226まで復調。代打でも存在感を見せ始めたメジャー最年長野手は完全に逆襲モードに入った。