フェデラーと錦織【写真:Getty Images】

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復活の王者が「脅威を感じる6人」に錦織「いい状態なら破るのは難しい」

 男子テニスシングルスのロジャー・フェデラー(スイス)は今季、全豪オープン優勝に続き、「マスターズ1000」で2勝を挙げるなど圧倒的な強さを見せている。19勝1敗という圧倒的な強さを示しながらも、昨年手術した左膝の負担を軽減するために、現在はシーズン中に異例の8週間のオフに入っている。

 全盛期を彷彿させる絶対的な強さを見せる35歳を誰が止めるのだろうか。フェデラー自身は苦杯を舐める可能性のある対戦相手の1人に、世界ランクを7位に落とした錦織圭(日清食品)の名前を挙げている。英地元紙「メトロ」電子版が報じている。

 世界ランク4位に再浮上したフェデラーは1位に返り咲く可能性について質問されると、「それは夢のようだよ。実際にはまだまだ先は長いけれどね」と語ったという。

 在位302週という最長記録を誇る世界ランキング1位奪回への思いを打ち明けたベテランは、1位復帰への道のりの厳しさに綿密なコンディショニング調整との兼ね合いがある。

「それは難しいんじゃないかな。なぜなら、以前のようにたくさんの試合をプレーしていない。だからこそ、ビッグトーナメントでことのほか、いいプレーをしなければいけないんだけれど」

「私が世界1位を逃す理由になるかも」…王者が脅威を感じる面々とは?

 今季は通常よりもトーナメントのエントリー数を制限し、コンディションを整える戦略を立てている。4大会で3度優勝という圧倒的な成果を手にしているが、フェデラー自身は出場した大会で最大限の成績を残す義務をこれまで以上に感じているようだ。だが、「ストップ・フェデラー」に闘志を燃やすライバルに脅威も感じている。

「ある時点では難しくなるだろうね。マレーかジョコビッチ、ナダル、スタン、ティエム、錦織がとてもいいコンディションになれば、破るのは難しいだろう。これがビッグトーナメントで優勝できずに、私が世界1位を逃す理由になるかもしれないね」

 世界ランク1位のアンディ・マレー(イギリス)をはじめ、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、スタン・ワウリンカ(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、錦織、ドミニク・ティエム(オーストリア)の6人には、相手のコンディション次第で自らを止められる可能性があると、フェデラーは考えているようだ。

 今季故障などで苦しんでいる錦織に対する評価の高さを、フェデラーは明かす一方で、世界1位は現時点の目標ではないと語る。

「それは今の私のゴールではないんだ。今は健康であることで、ただただ幸せなんだ。今季序盤はおとぎ話のようだ。ここからどうなるか楽しみだよ。今はオフを取れて嬉しいんだ」

 フェデラーはライバルの強さも感じながら、今は5月末の全仏オープンに向けた充電期間を楽しんでいるようだ。