国土交通省では、燃費性能の優れた自動車の開発・普及を促進するため、毎年、「燃費の良い乗用車のベスト10」と、「自動車燃費一覧」を公表しています。

今回、同省が発表した「軽自動車 ベスト10」で、JC08モード燃費37.0km/Lのスズキ「アルト」とOEM車のマツダ「キャロル」が1位にランクインしました。軽量化を徹底した新プラットフォーム採用により、60kgの軽量化を達成。

エンジンの圧縮比向上やEGRシステム採用に加え、吸気、排気系を新設計。低中速の動力性能を高めており、減速時のエネルギーにより発電・充電することで燃料消費を抑える「エネチャージ」や、停まる前からエンジンを止めて、ガソリンを節約する「新アイドリングストップシステム」の採用により、燃費性能を大きく向上させています。

3位には2015年6月にフルモデルチェンジしたスズキ「アルト ラパン」(35.6km/L)がランクイン。車両の軽量化に加え、アルト用の新エンジン、改良型副変速機構付CVT、エネチャージや新アイドリングストップシステムの採用により燃費を向上。

4位にはダイハツ「ミラ イース」(35.2km/L)と、そのOEMのトヨタ「ピクシス エポック」、6位にはスズキ「ワゴンR(モデルチェンジ前)」(33.0km/L)と、そのOEMのマツダ「フレア」がランクインしています。

8位にはスズキ「ハスラー」(32.0km/L)と、「スペーシア」、さらに両車のOEM版であるマツダ「フレア クロスオーバー」とマツダ「フレア ワゴン」がランクイン。

専用リチウムイオンバッテリーを搭載し、モーター機能付発電機(ISG)でエンジンをアシストする「S-エネチャージ」により、さらなる燃費の向上を実現しています。

こうしてみると、燃費性能ではOEM車を積極展開するスズキの圧勝といった状況になっており、ホンダや日産/三菱の軽自動車における燃費技術の向上が望まれます。

(Avanti Yasunori・画像:SUZUKI、国土交通省

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国土交通省
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