By Moyan Brenn

「統合失調症を発症した患者は幼少期に猫を飼っていたという共通点がある」という内容の論文が2015年1月に発表され、愛猫家にとっては衝撃的な研究結果となりました。しかし、この研究結果に異議を唱えたユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームが「猫の飼育と統合失調症に関連性がない」とする調査結果を公開しました。

Curiosity killed the cat: no evidence of an association between cat ownership and psychotic symptoms at ages 13 and 18 years in a UK general population cohort | Psychological Medicine | Cambridge Core

Having A Cat Does Not Cause Mental Illness, New Study Suggests | The Huffington Post

http://www.huffingtonpost.com/entry/cats-mental-illness-toxoplasma_us_58adc06ae4b03d80af714072

2015年1月に発表された論文では、1982年に行われたアメリカ精神疾患患者家族会の調査レポートを調べたところ、統合失調症を発症した人の50.6%が幼少期にネコを飼育していたことがわかり、さらに、1990年代に行われた二度のアメリカ精神疾患患者家族会の調査でも統合失調症を患い、かつ、ネコを飼っていた家庭で育ったという人は50.9%と51.9%だったとのこと。この3つの調査結果から「統合失調症を発症した患者は幼少期に猫を飼っていたという共通点がある」という結論に至っています。

なぜネコを飼育すると統合失調症になるのかは、ネコに寄生する「トキソプラズマ」よる可能性があるという仮説が立てられました。トキソプラズマが人間にどのような影響を及ぼすのかは以下の記事から確認可能です。

人間の体内にも寄生している寄生生物が宿主の行動や性格をゆがめていることが判明 - GIGAZINE



この論文に異議を唱えたのがユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームです。研究チームはThe Avon Longitudinal Study of Parents and Children (ALSPAC)に登録されている1991年および1992年に生まれた5000人の子どもデータを調査。その結果、妊娠中・若年期・成熟期などのネコを飼育している家庭で生まれる、もしくは育った子どもたちが、13〜18歳の間に精神病を発症する危険性が特に高いということはないと結論づけられました。



By Jimee, Jackie, Tom & Asha

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームは、2015年1月に発表された論文について「調査対象の数が少ない上に、どうやって調査対象が選ばれたのか、また、使用されたデータには欠落している部分があります。これは調査結果に偶然性が生じたり、偏った結果につながります」と話しました。

今回の調査では、「猫の飼育と統合失調症に関連性がない」という結論が出されたわけですが、ネコに寄生するトキソプラズマに危険性があることは事実であり、感染の初期段階ではトキソプラズマ症を引き起こすことがあります。アメリカ疾病予防管理センターは、料理の際に手を洗ったり、ネコが自由に行き来している庭がある場合は手袋やマスクをしてガーデニングしたりなどの予防法を公開しており、動物を飼育する上での最低限の予防は怠らないようにするべきです。