普段の食事では不足しがちなビタミンなどの栄養素を摂取するために、果物ジュースを飲んでいる人も多いのではないでしょうか。リンゴにミカン、ブドウとその種類は多岐にわたり、数種類のミックスや、野菜と果物が半分ずつのもの、スムージー状のものまで、実にさまざまです。

 しかし、この果物ジュースには、フレッシュフルーツ同様の栄養素があるのでしょうか。オトナンサー編集部では、この素朴な疑問を料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんにぶつけてみました。

果物ジュースは還元果汁を使用している

 関口さんによると、多くの果物ジュースには還元果汁が使われているため、フレッシュな果物とは異なり、ビタミンCなどの栄養素はほとんど失われています。たとえば、オレンジジュースには、酵素や食物繊維が含まれておらず、ほとんどが果物由来の糖質です。「果物ジュースは果物を摂取するというよりは嗜好品と考えるべきでしょう」。

 後からビタミンCを添加する方法もありますが、ジュースは糖質が多いため、ビタミン摂取以上に血糖値上昇などの弊害が懸念されるそうです。

 フレッシュな果物に期待できる栄養素はビタミンCやポリフェノール、有機酸(クエン酸、酒石酸など)、食物繊維、生きた酵素など。これらの物質は果物ジュースではなく、サプリメントやカットフルーツ、フレッシュジュースで補給するのがよいそうです。

「普通の100%果汁還元ジュースはリフレッシュしたり、味を楽しんだりするための嗜好品と捉えるべきで、栄養補給の観点からはあまりオススメできません」

(オトナンサー編集部)