ブンデスが来季導入予定のビデオ判定を運用開始に向けテスト実施

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 先週末、2016−17シーズンのブンデスリーガが再開され、久しぶりにドイツ各地のスタジアムへ熱気が戻ってきた。その熱い戦いの裏で、もう1つのプロジェクトも着々と準備が進められている。ビデオ判定の運用開始に向け、今現在、続々と練習が行われているのだ。

週2回以上のテスト参加

 現段階で、約半年後に開幕を迎える2017−18シーズンから、リーグ戦、入れ替え戦、ドイツ・スーパーカップでビデオ判定が用いられる予定で、すでに今季からケルンにあるケルン・ブロードキャスティング・センター(CBC)で実験をスタート。ドイツ・サッカーリーグ(DFL)とドイツサッカー連盟(DFB)が本プロジェクトに掲げた「速さよりも正確さ」というスローガンの下、何度も練習を繰り返しながら、容易なものから複雑なものまで、様々なシーンを映像でチェックし、経験を積んでいる。もちろん、このケルンでのテストには、今季ブンデスリーガで主審を務めている23人も参加しなければならず、彼らは各節の間に2回以上CBCを訪問するほどだ。

 今のところビデオ判定が利用されるのは、下記の4パターンと定義されている。

1:ゴールに関与するファウルやハンド、オフサイドの判断
2:ペナルティーエリア内でPKを与えるべき、もしくは与えるべきではない場面
3:レッドカードを出すべき、もしくは出すべきではない場面
4:イエロー、もしくはレッドカードを出すべき選手を主審が間違えた場合

 CBCで実施されている練習は、先述のように現役のブンデスリーガ主審をはじめ、現在DFLの審判マネージャーであるヘルムート・クルーク氏や、国際サッカー連盟(FIFA)認定の国際審判員だったキャリアを持つフローリアン・マイヤー氏も出席し、多くの人間が議論を重ねながら行っている。なお、ここまでプロジェクトの経過は順調なようで、クルーク氏は「主審のみんなも、『試合中の(自分が判定を下した)シーンをもう1度見直さなければならない』と思っているが、その一方で彼らは主審として自分の感覚に基づきピッチ上で判定を下さなければならない」とコメント。ビデオ判定の存在が、サッカーというスポーツの魅力を向上させることを願っている。