【韓国】逮捕された朴大統領側近と崔順実氏の密談音声が発見される。国政介入の重大証拠

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 韓国を揺るがしている大統領スキャンダルの最大の焦点は、大統領の「影の権力者」として逮捕された崔順実氏が実際に国政に介入したのかという点である。

 10月25日に行われた朴槿恵大統領の会見によれば、演説文等のいくつかの文書を崔順実氏に渡したことを認めたものの、「表現等に関してのアドバイスをもらった」という説明しか行わなかった。また11月4日の「謝罪会見」においては、「プライベートの相談をし、アドバイスをもらった」とした。

 あくまで国家国政に関わる崔順実氏の介入は無かったという立場である。

 しかし11月6日、今回の一連のスキャンダルに関して他の大手メディアの追随を許さないケーブルテレビ局のJTBCでは、崔順実氏の国政介入に関する重要な証拠が発見されたことを独占で報道した。

◆カギは大統領側近の家宅捜索で押収された携帯電話

 それは、今回の「崔順実ゲート」事件との関りで逮捕した、青瓦台の「門番三人衆」の一人でもあり、大統領秘書官であったチョン・ホソン氏の携帯電話である。この携帯電話の中に、崔順実氏とチョン氏の会話が録音されていたのだ。そもそもこの秘書官のチョン氏は、今回の「崔順実ゲート」が露見したきっかけになった、崔順実氏が所有していたとされるタブレットPCを「手配」した人物でもある。

 この携帯電話は、検察当局がチョン氏の家宅捜索を行った際に押収されたもので、脇の甘い話ではあるが、チョン氏の逮捕が「電撃」であったため、処分出来ずに保管されていたと考えられている。

 崔順実氏とチョン氏の会話の内容については明らかにされてはいないが、少なくとも大統領就任後からごく最近までの期間の会話であったことは確認されており、すなわち、仮にその会話の内容が「国政に関わる指示」であったならば、崔順実氏の「国政介入」を裏付ける物証となり得る。

◆崔氏が国政に介入した重大証拠となりうるか

いくつかのポイントを解説する。

1、なぜチョン氏は、崔順実氏との通話を「録音」していたのか。
2、チョン氏は、崔順実氏との会話内容を大統領に「報告」していたのか。

 JTBCの報道によれば、この点に関しては推測の範疇を抜け出られないとしながらも、「録音」については、チョン氏が崔順実氏の指示を聞き洩らさず正確に把握するためのものであったと報道し、「報告」については、チョン氏自身は大統領の側近でありながらも、実際に国政に対し影響を及ぼす人物ではないため、崔順実氏が国政に対する私見をチョン氏だけに伝えておしまいというのは不可解であるとした。

 今後の検察捜査の最大の焦点は、崔順実氏の国政に関する意見が実際に大統領に届き、また大統領自身が国政に関わる中で、その崔氏の意見を取り入れたのかということ。その証拠を手に入れることである。

◆追い詰められていく朴大統領

 朴槿恵大統領は、11月4日の「謝罪会見」で、韓国の大統領として初めて、検察の捜査を受け入れることを表明した。しかしその捜査方法については、まだ何も明らかにはなっていない。大方の予想は、文書での質問形式になるだろうとも言われている。今のままでは、限りなく黒に近いグレーのまま、「無罪」となる可能性も高い。

 検察の捜査は、大統領を中心に、徐々にその範囲を狭めている。「門番三人衆」の残り二名の逮捕も秒読みと言われている。今回の「崔順実ゲート」事件に関わる新しい「登場人物」も日に日に増えていく。韓国の検察当局がどこまで事件を解明出来るのか。解明に関わる証拠をどれだけ集めることが出来るのか。いまだ崔順実氏の主な容疑は「職権濫用」であり「詐欺未遂」である。崔順実氏の「国政介入」が明らかになるのであれば、それは翻って朴大統領の「罪」になる。罰するのは司法ではなく、国民である。

<文/安達 夕>