境内唯一の朱塗りの建物「山門」。その奥に「仏殿」などが立つ

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全国に3400の寺院を持つ臨済宗妙心寺派の大本山。応仁の乱で多くの堂塔を焼失したが、細川勝元・政元親子らの援助により再興。その後、豊臣家や徳川家をはじめ諸大名が帰依し、隆盛を極めた。国宝の大燈国師墨蹟(だいとうこくしぼくせき)をはじめ、仏像、絵画、障壁画、庭園など多くの文化財を所蔵。禅寺のなかでも厳しい修行を重んじる寺院だが、現在では山内の一部宿坊に一般観光客も宿泊することができ、その教えの一端に触れることができる。

■ 文化財

<黄鐘調(国宝)>1973(昭和48)年まで使われていたが、これ以上つくとヒビが入る可能性があるとされ今は法堂に収納されている。

<大方丈(重要文化財)>江戸時代に建立。仏事行事の際、和尚さんの控えの間などに利用される大広間。

<法堂(重要文化財)>江戸時代に建立。仏像は安置されず、今で言う多目的ホールの役割を担う。

■ その他の見どころ

<雲龍図>「法堂」の鏡天井には8年を費やして描かれた狩野探幽の筆による巨大な雲龍図がある。

<宿坊>細川政元が建立した、妙心寺の塔頭寺院の大心院に宿泊し、朝のお勤めなどに参加できる。1泊朝食付きで5000円。往復はがきで申し込み。ほかに2か所あり。

■ ライトアップ

8月9日・10日のお精霊会の「お精霊迎え」。2日間、山門などをライトアップする。

■ 混雑状況

<昼>空いているのは午前中。平日なら午後も比較的参拝しやすい。

<夜>通常時夜間参拝不可。

■ 紅葉

モミジ、ノムラモミジなど。見ごろ11月中旬〜12月初旬。広大な境内に七堂伽藍と多くの塔頭、名庭園があり、大法院や桂春院からの景色が人気。

■ 桜

ベニシダレザクラ数本。見ごろ4月中旬〜下旬。名庭、余香苑のベニシダレザクラと枯山水庭園が重なる風景が叙情的。

■ 年中行事

<4月>釈尊降誕会/誕生仏に甘茶を注ぎ、仏法誕生を祝う。花まつりとしても親しまれている。

<8月>お精霊会/山内各塔頭寺院の和尚様方の出頭により、各家先祖供養や新亡供養を厳修。

<3・9月>祠堂斎/彼岸中日に檀家のご先祖の供養を行う。彼岸の語源はパーラミータといい、供養を通じ、心の安らぎを得る時のこと。

【関西ウォーカー編集部】